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ゴジラvsキングゴジュラス

1 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/05/30 02:00 ID:???
これまでのスレがどうやら落ちてしまった様なので、新しく
立ててみました。


2 :名無し獣:03/05/30 02:06 ID:???
ゴジュラvsキングコジラス

3 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/05/30 02:11 ID:???
これまでの粗筋

惑星Ziに突如現れたゴジラがデスザウラーを倒し、1年が経過した。
その頃、共和国近海で一隻のホエールキングが海へ墜落、そのまま
沈没するという事態が発生、GF(ガーディアンフォース)がこれの
対処に当る事となる。だが、そこで彼等が目にしたものは、1年前に
姿を消したゴジラであった。ゴジラは、ホエールのサルベージに当って
いたウルトラザウルスを襲うと、いずこともなく去っていった。

だが、ホエールの積荷の正体は、共和国の一部将校が再度の大戦に備え
極非理に復活を進めていたキングゴジュラスのものだった。彼等は、
帝国で服役中だったハインツを主任に当て、KGを復活させようとして
いたが、ハインツはこれを占拠、その力を示すべく、ゴジラ目指して
侵攻を始めた。しかも、KGのコアには、デスザウラーの技術が応用
されているのだ。

4 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/05/30 02:17 ID:???
その矢先、ゴジラはKGのエネルギーを察知し、上陸を開始していた。
待ち受ける共和国軍の猛攻をものともせず、ゴジラはレイヴン&リーゼが
駆るゴジュラスギガと、アーバインが駆るゴジュラス・ジ・オーガを破り
一路KGを目指す。しかし、そのまま二者がぶつかれば、その舞台は
ニューヘリックシティとなってしまう。

追撃するバン&レイヴンに襲い掛かるBLOX
制御不能に陥る衛星兵器ディメンション・タイド
そして海兵隊の独走…………

ついに物語は、終盤へと突入する。

まあ、こんなとこでしょうか。

5 :名無し獣:03/05/30 21:07 ID:???
>>1おつかれさまです。
前スレ読めなくなったんでビックリしてました。
これからも(・∀・)イイ!!ストーリーを期待しつつ、応援してます。

6 :名無し獣:03/05/31 15:13 ID:???
>>1
ゴジラやキンゴジュに止まらず、キャラやその他ゾイドも活躍できる作風が好きです。
これからもがんばってください。

7 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/01 23:23 ID:???
また忙しくなりそうなので、週に2、3回も書き込めれば
御の字な状態ですが (;´Д`)
ともあれ、キッチリ終わらせる予定なので、宜しくお願いできれば、と。


8 :名無し獣:03/06/04 00:47 ID:MViHmiwU
取り合えずあげ。
前のスレで書かれていた内容を保存している人、もし宜しければ、
こちらのスレにアップしていただけると感涙の極みです。
畜生、何で保存しておかなかったかなあ…

9 :名無し獣:03/06/04 15:20 ID:???
>>8
一応、筆者の責務(?)として、自分の書いた分なら細大漏らさず保存して
ます。いずれ、どこかにアップしようかと思ってましたが、アップローダー
ってHTML文書もアップできましたっけか。

10 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/06/04 15:20 ID:???
失礼、トリップ付け忘れてました……

11 :名無し獣:03/06/04 17:48 ID:???
対デスは保存してないです(TДT)
すいません

12 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/04 22:33 ID:???
手許のファイルを検索してみたら、何かゴジラが発見されたくだりから
海兵隊が出て来るまでの間がすっぽり抜け落ちてました(泣
2ちゃんの過去ログ倉庫からHTML化されれば、読めるようになるので
こちらも、それ待ちな状態だったりします。
あと、トリップ間違えてました。すまんです (;´Д`)

とりあえず、明日の晩くらいに、新スレ第一話を書きたいかと。

13 :名無し獣:03/06/04 22:54 ID:???
前スレのURL張ってくさい

14 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/05 00:29 ID:???
前スレ。
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/991047666/l50

今は読めませんが。

15 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/06 15:05 ID:???

 突如、サイクスのレーダーに反応が出た。新たな敵は二機。今の状態の彼等に、
確認の有無を問わず味方と断言できる存在なぞ在りはしない。
 背後からは、ケリーのサイクスが追って来ている。この上に敵が増える状況に
飛び込むのは、どう考えても得策ではない。
 …………強行突破しかないか……!? いや、どのみちKGにとりつくには、
減速せざるを得ない……奴らだって、そのくらいはお見通しの筈だ…………
 ……ならば減速しないでKGに取り付くか…………ダメだ、それじゃあKGに
豆鉄砲を喰らわすようなもんだ…………奴さんがどう暴れるか予測が出来ねぇ……
 アーバインは、決断しかねていた。
「ええい!! 一か八かだ!!!」

 一方、こちらはGFホバーカーゴ移動仮設本部である。
 ハーマンは、深々と椅子に腰を降ろしていた。しかし、腕組みをし、険しい表情
を浮かべたその有り様は、無論リラックスをしてるものではなかった。
 ディが言う。
「ロブよ、御主の言いたい事は判るぞい」
「Dr.……それが言えないから頭が痛いのです。軍人としてッ」
 ハーマンは、かぶりをふりつつ反論する。
「情けない話ですが……今頃になって海兵隊の心理が判ってきましたよ」
 そして、おもむろに腰を上げ、こう続けた。
「そして、彼等と私の違う所がここです。オコーネル、傭兵らに繋げ。彼等全員に
指令の変更を出す」
「アーバインはどうします?」
「奴はそのまま突っ走らせておけ。なに、後回しにするだけさ……人の頭を悩ませた罰ってとこだ」
 そして、ハーマンはドクターを少し見、にやりと笑い言った。
「Dr.、貴方に同意は求めませんよ。これでいいんです」
 ディも笑い返すと、ハーマンに背を向けた。オコーネルが、どちらへ? と訪ねる。
「ちと用達しにな」
 ディは厠へ向いつつ独りごちた。
「あの穣ちゃんめ、軍人を本気にさすのがほんに上手いわい……」


16 :名無し獣:03/06/06 20:49 ID:???
あのー前スレ復活してます。カキコできるようです。もっとも既に20レス分しかないので
向こうを使うかこっちに完全に移行するか微妙ですね。しかし以前も前スレはdat落ち
して復活したし何かあるのか・・・

17 :名無し獣:03/06/06 20:51 ID:???
っと思ったらまたdat落ちしてました。かなり不安定ですね。やはりこっちに
完全移行しましょう。そのほうが落ち着くし、お騒がせしてスマソ

18 :名無し獣:03/06/09 02:01 ID:ec5fcMBO
age

19 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/09 22:57 ID:???
すいません、中々時間と気力が工面できず……
明日、いくらか纏めて書きます (;´Д`)

20 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/13 00:07 ID:???
しかし……でかいな」
 アーバインは、次第に近付くKGを見つめ、言う。
『ボクの方は大丈夫。いつでもいいよ』
「そうか、だったら…………っておい、なんだこりゃ!?」
 アーバインは、返事をする最中にてリーゼの語りが持つ異様な雰囲気に気付いた。
耳から聞こえる感覚とは明らかに違う。彼は、肩でもぞりと動く何かを感じた。
話には聞いていたが、実際に使われるのは初めての代物だ。ディが言うには、今では
絶滅種とされる古代の昆虫で、ゾイドの一種らしい。今は訳あって確認できないが、
形は覚えている。確かダブルソーダのミニチュア版みたいなやつだ。
「こいつか……あまり妙な真似はしねえでくれよ」
『こいつがあれば、多少離れてても君と話が出来る。便利なもんだろう?』
「なんか妙な感じだが…………」
『口で言わなくても大丈夫。心で念じて』


21 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/13 00:07 ID:???
 アーバインは、言われるままに頭の中で語りかけてみた。
『これでいいのか? ……はは、気色悪ィ……』
 心の中の語りが、声となって頭に響く。この感覚は慣れが必要だろう。
『そりゃそうと、ビークモバイルをちゃんと持ってけよ。それでKGを制御するんだ
そうだ』
『そんなものは必要ないさ。ボクにはこいつらがいるから』
 リーゼの手に、服の裾から何匹かの古代昆虫が這い上がる。アーバインからは見えないものの、その事実は感覚として伝わっていた。
『おまえが言うと、トーマの100倍信憑性があるな……』
『そりゃどうも』
 やがて、サイクスの周囲の地形は凹凸の顕著なものになっていった。風雨に侵食
された大地が、小高い丘や巨岩を随所にちりばめている。
「しまった!!」
 アーバインは、思わず声に出して叫んだ」
「畜生、地形のせいで敵がレーダーから消えちまった!!」
 先刻レーダーが捉えていた二機のゾイドも、今は陰も形も確認出来ない。
 数十秒後、不意に景色が晴れる。だが、時既に遅し。
『やられたぜ……』
 頭の中のぼやきがリーゼにも伝わる。だが、その言葉がなくとも、リーゼも同じ
感想を持ったに違い無い。
 ライトニングサイクスが二機、シャドーフォックスが一機、ライガーに、話に聞く
バーサークフューラーが一機づつ。
 アーバインは、完全に包囲されていた。


22 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/13 20:17 ID:NDJgatZF
リーゼたん蟲使いー!

23 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/14 00:34 ID:???
意外な良スレ age

24 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/14 23:40 ID:???
何を今さら

25 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/15 10:11 ID:???
もともと良スレなのだ!!

26 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/15 13:28 ID:???
>24-25
23は最近になってこのスレを発見したんだろう。
何も知らずに初めてスレタイ見たら駄スレかと思うのも無理はない。

27 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/18 20:11 ID:???
ホシュ

28 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/19 18:39 ID:???
良スレ保守

29 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/20 21:06 ID:???
明日か、明後日あたりにまた書きます。
また最近忙しくて……

30 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/22 18:27 ID:???
期待してまつ。マターリとカキコしてくだちぃ

31 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/23 19:49 ID:???
うう、すまんです……

32 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/23 23:16 ID:???
「まだ時間に余裕はある。奴を極力刺激するな!!」
 シュバルツは、深紅のコングを畑のように掘り返された地面に歩ませる。その
たびに、コングのナックルと足が地面にめり込む。と、コングはおもむろに、
あくまで余裕を持って右腕を振り上げた。そして、指を貫手の形にし、手首諸共
地面に突き刺した。大地の中を、コングの巨大な手がうごめき、半ば干涸びた
大地に亀裂を作る。
「ドウクツエビ、そちらはどうか」
「こちらは何時でもOKです。いざと成れば、自分が犠牲になってでも仲間を……」
 だが、シュバルツは言った。
「貴様の乗っている、その狭いコクピットのモニタの近くには何がある」
「何……と言われますと…………  ……!!」
「そうだ。貴様は兵士でも、貴様の女房子供は民間人だ。そして兵士の務めとは、
国と民を護る事にこそある」
「大佐…………」
「私も貴様も兵士である以上、民間人を悲しませる事は許されん。解るな……」
 彼は続けた。
「それに……私もそうだが、何より陛下も民や兵の血がこれ以上流れる事を
お望みでは無い。陛下の勅命は、あくまで『生還せよ!』だ!!」
 ドウクツエビのパイロットは、やや押し黙った後、答えた。


33 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/23 23:16 ID:???
「…………………………………………了解ッ!!!」
 やがて、コングの見かけによらぬ鋭敏な指先が、地中に何かを見つけた。
「これかッ!!」
 コングは左手で大地を押さえ、右手で掴んだそれをゆっくりと地面から引き抜く。
「こちらコング。ケーブルを確保した」
「こちらもOKです。しかし……あまり格好のいいもんじゃありませんね……」
 ドウクツエビのパイロットは苦笑する。いかにケーブルが地底からマッカーチスを
引き上げる強度を持っているとはいえ、マッカーチスのハサミそのものは、さほど
強度のあるものではない。だが、胴体部だけは1000mを超える深度にも対応出来る極めて堅牢なものとなっている。そこで、ドウクツエビに下された指示は、単に
ケーブルをハサミで掴むだけではく、その頑丈なボディに幾重にも巻き付けよ、
というものだった。
「ま、生きるというのは時として不様に見える事もあるものだ」
 シュバルツは、口に出してから台詞が微妙に場違いな事に気付き、思わず吹き出した。そしてそれは、ドウクツエビも同様だった。
「ゴジラ、なおも接近中!! ポイント到達まで、あと二分を切りました!!」
 ホエールにて、オペレーターが告げる。
「それじゃ大佐、頼みましたよ」
「それはこちらも同じ事だ。いいか、しくじるなよ!!」
 二人は、ともに操縦桿に力を入れた。


34 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/25 22:58 ID:???
シュバルツさま・・・・
アーバインたん・・・・(;´Д`)


35 :名無し獣@リアルに歩行:03/06/29 00:00 ID:R3VaP424
からあげします。
まえみたいにdat落ちすると哀しいから。

36 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/06/30 00:48 ID:???
最近ますます時間が取れなくなってきてまして (;´Д`)
申し訳ないので予告だけでも。

KGに向うリーゼとアーバイン。しかし、そこで彼女らを待ち受けていた
ものは……
「お前か……また随分としおらしくなったものだ……」
 リーゼはその男に言う。
「よせ!! おまえもKGも、過去の怨念に縛られているだけなんだ!!」
「リーゼよ、それはお前も同じ事じゃないのか? さあ、私に心を開くんだ……」

 果たしてKGで何が起こるのか!? そしてリーゼの、アーバインの運命は!?

 一方でシュバルツらの決死の作戦が敢行される

「マグマの底へ沈め!!!!!」

 乞う御期待!!

37 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/04 22:22 ID:???
その一方で、リーゼとアーバインは大いなる危機に見舞われていた。
『確かライガーはバン、なんたらフューラーとかいうやつはレイヴンだったな……』
 心の呟きが、リーゼに伝わる。
『他のゾイドは誰が載ってるんだい?』
『今回の面子が俺の思ってる通りなら、そっちのシャドーフォックスが、バラット。
サイクスが二機いるが、タスカー姉妹か、その片割れとジャック・シスコだな』
 いびつにサイクスを囲うゾイドは、正面から時計回りにフォックス、ライガー、
サイクス、フューラー、サイクスの順である。
『アーバイン、10時の方向……』
『ああ判ってる。まあ任せな』
 そこに居たサイクスが身を翻したと思うや、その姿は岩陰に隠れた。
『しまった!!』
 アーバインは、咄嗟にサイクスに急停止をさせた。石の混じった砂煙が津波の様に
立つ。と、その前方には、何時の間にそこに居たのか、先刻行方を一瞬眩ませた
サイクスが佇んでいた。
 陣形を組んだ敵の直中で停止する。それが高速地上ゾイドのみの編成で行われた
場合、何を意味しているのか判らぬアーバインではなかった。
『俺とした事が……!!』
 そう、停まってしまったのは、あまりにまずかった。飛び越えるか? いや、いくらサイクスとはいえ、この距離では無理がある。体当たりをするか? 逆に組まれるのが落ちだ。砲をぶっぱなすか? 恐らくそれすらも間に合うまい………………
 なぜなら、あの動きをこなせるのはタスカー姉妹では有り得ないからだ。
 サイクスがブレーキをかけてより、ここまでの所要時間、実に半秒。
 気が付けば、アーバインは音速の狩人たるサイクスを完全停止させていた。砂煙
だけが、サイクスを追いこして行く。
 敵に囲まれたライトニングサイクスが一機。そこへ永遠とも思える数秒が流れた。
「アーバイン…………」
 リーゼが後部座席から手をさしのべる。だが、
「おいジャック、いいかげんにしとけよ」
 バンの声が通信に入った。
「な……………………に…………!?」
 アーバインがその状況を飲み込むのに、およそ一分を要した。

38 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/06 17:48 ID:???
キタ−−−−−−(・∀・)−−−−!!

39 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/10 22:41 ID:???
「は……はは…………てめえらいつかブン殴ってやる」
 アーバインが、前述の台詞の後しばしの沈黙を置いて、乾いた笑いと共に語った
言葉が、これだった。
「まあそう言うなよ。場合が場合だったら軍法会議もんだぜ」
 バンの言葉に、アーバインが返す。
「いや……さすがに今度ばかりは焦ったぜ…………畜生、ハーマンの野郎!!」
「何だ? 軍法会議をどっきりカメラに格下げしてやったのに、その口の聞き方は」 ハーマンが、わざとらしい口調にて通信に割り込む。
「…………ああわかったよ畜生!! で、結局リーゼの行動を容認するって事か?」「まあ、そういう事だ。しかし、もし本当にお前がリーゼに操られていたら
どうしようかと思ったよ」
「おい、どういうこったそりゃ! わかっててやったんじゃなかったのか!?」
「その可能性も少しはあった、って事だ。まあ、サイクスの動きにお前の癖が
見隠れしてたし、お前の事だ。正気を保ってても彼女に味方したろうよ。だが、
何よりの証拠は…………」
「証拠は…………!?」
 アーバインは冷や汗混じりに喉を慣らす。
「なに、そっちのやりとりが丸聞こえだっただけさ」
 その、想像を絶する拍子抜けな答えに、アーバインはまたも絶句した。
「まったく、外とやりとりしてる最中に急発進なぞするからだ。だいたいお前は………………」

40 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/10 22:42 ID:???
「ああ、わかったわかった!!!! それよか、面子の紹介をしてもらおうじゃねえか。おおかた予想はついてるがな」
「俺がまとめて言ってやる。バン、レイヴン、クリス・タスカー、バラット、そして俺、ジャック・シスコだ」
「やっぱりお前もいたのか……ブリッツとライトニング…………ケリ−やビットは
どうしたんだ? あとレオンは来てねえのか?」
「ケリーは修理中、ビットは……」
 説明するのはバラットだ。
「換装の最中にトラブルが起こって、ホバーカーゴから出られないらしい。なに、
じきすっとんで来るだろう」
「……ったく、あいつらしいぜ。おっと、こいつの紹介がまだだったな。
彼女はリーゼ。詳しい話は各々で耳にしてる筈だ」
 青い悪魔。嫌な名がリーゼの脳裏を過り、不安を呼び起こす。
「よろしくね、リーゼ!」
 第一声は、クリスのものだった。
「こちらもよろしく頼む。安心しろ、そういう条件で契約は済んでる」
「まさか実戦で、あんたらの支援をするなんて思ってなかったぜ。ま、よろしくな」 続けて、バラット、ジャックが声をかける。
「…………聞いたかりーぜ」
 その後に短く告げる声。
 彼女は、しばらく黙ると、短く答えた。
「………………うん!!」
「ああ、それとな…………おっと、まずいタイミングだったか……」
 バラットの言葉に、アーバインが返す。
「俺が聞こう。何だ?」
「レオンだが、じきこちらへ合流する予定だ。そういえば大佐にも話しそびれてたか」
「ああ、だが彼も来てくれるとは心強い限りだ。これでライガーが3体か……」
「早とちりするな。ライガーよりも凄いかもな……」
 バラットの言葉には、明らかな笑みが含まれていた。

41 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/10 22:43 ID:???
ヘリック国立歴史博物館……惑星Ziの歴史を隈無く収めたこの施設は、
同時にゾイドの歴史も封じ込まれていた。前大戦にて大いなる活躍をした
ゾイドは、その業績を讃えられ名機として当時のままにここで保管されて
いる。ニューヘリックシティの外れ、荒野に面したここは、当時の軍事
施設をそのまま流用しており、そのため展示品を動くように整備し、
催し物などにそれらを駆出す事もしばしばである。
 実を言えば、今回対ゴジラに駆出されたゾイドの内、特に近年見かけなく
なったデッドボーダー等のヴィンテージゾイドも、ここに由来するものだ。
むろん、至高とも云える保存技術、整備技術のお陰で、それらは戦果は
別とすれば、コアの復活も含め何ら問題なく運用出来ていた。ウルトラ級の
超大形ゾイドはコアを呼び起こすのに莫大なエネルギーを要するが、中形〜
ゴルドスクラスの大型ゾイドなら、ここの設備で少し無理をすれば、2、3
日もあればコアはほぼ完全に復活する。現に、近年再生産された共和国ゾイド
の殆どに、ここの研究員が携わってるのだ。

 その中にあって、館側が最後まで頑に提出を断り続けたゾイドがあった。
 PRZ−18 オルディオスである。
 単騎にて、当時ガイロス帝国最大であったギルベイダーを落す戦闘力を
秘めたこの機体は、故にKGを別とすれば共和国の救世主だ。しかも、
本体は歴戦の猛者のものをままに用いているため、各部の損耗もそれなりに
激しく、またコアも仮死状態とはいえ、復活に耐えられるかどうか定かでは
なかった。もしコアの再生にしくじれば、コアを通じて自己修復を行っている
各所の装甲も一気に石化し、文字どおりオルディオスは完全な死を遂げて
しまう事となる………………
 共和国の勝利のモニュメントとしての意味合いも強いこのゾイドは、そう
いった理由から投入が見送られた一機でもあった。

 しかし。

42 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/10 22:43 ID:???
 歴史博物館は、ゴジラとKGが衝突予定のポイントから、ニューヘリックを
挟んで丁度裏に位置している。このまま作戦が上手く行けば何ら問題は無い
のだが、万が一に備え、当地では大規模な展示品の移送が行われていた。
 館より暫く離れた地点にある、陸軍の基地へ移そうというのだ。
 そしてここが、その当地である。
「どうかね? 『彼』の具合は」
「文句無しですね。このまま出撃してもいいくらいだ」
 広いドック内に、白い馬の形をしたゾイドが一機、佇んでいる。
 大柄なその科学者は、機体の足元にて、そこから降りて来た精悍な顔つきの
若いパイロットと、そうやりとりをすると、大仰に頭を抱え、言った。
「私もそれには大いに同意だ。出来ればこのまま天井を突き破って、奴の
元へと一ッ飛びして欲しいくらいだよ。だが!!」
 彼は続けた。
「万全を期すという科学者の魂が、そうはさせてくれんのだ!! ……おっと」
 大柄な科学者は腕時計を一瞥すると唐突に平成を取り戻し、傍らのコンテナの
上に置いてあったカップを手にした。そして、どこからともなく取り出した割り箸
を、右手と口とで器用に割る。
「失礼、三度の食事と間食と仮眠は正確に取る事にしているのでね……」
 彼は、カップの蓋をぺりと剥がすと、箸で麺を絡め取り、勢い良くすすった。

43 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/10 22:44 ID:???
「しかるに、だ!!」
 彼の台詞は、どうやら科学者の魂云々から続けたものらしかった。若者は
とりあえず、それに耳を傾ける。
「それが為に、KGもゴジラも今少しで対峙しようとしてるのだ!! 嗚呼、
これぞ科学者のジレンマか!! だが、これから行う最後の調整さえ済めば、
君にはその足でまずはゴジラに向ってもらいたい! あっちの方が融通が効か
なさそうだからな!」
「博士、スープが溢れます……」
「おっと失敬…………ともあれ、このラオン、レオンのラレオンコンビが
いれば、共和国はタイタニックにでも乗った気持ちで腰でも据えてなさいって
ことだ。さて、では大急ぎで取りかかるとしよう。君も食事をとっていたまえ」
「ええ、何とかあの二体が出会う前に出撃しないと……」
「出会っているさ。ただ互いの姿がまだ見えてないに過ぎん。そうなってから
では、既に手後れ、全ては木っ端ミトコンドリアだ!」

44 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/11 00:25 ID:???
>>340氏、新作乙です。
これからも頑張ってください。

45 :山崎 渉:03/07/12 16:39 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

46 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/12 19:13 ID:???
ラドン博士wキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

47 :らっかさん部隊 ◆yJTSyTwGCI :03/07/12 19:47 ID:???
タイタニックって…

48 :山崎 渉:03/07/15 12:03 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

49 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/15 14:12 ID:???
移動中に事故りそうだな…タイタニック。

50 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/20 01:17 ID:Bjp7sEpQ
タイタニック…いいのかな(苦笑

51 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/21 04:44 ID:???
すっげぇラオンらしい…

52 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/21 21:12 ID:dM2odB8M
age

53 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/21 22:48 ID:trWGGFM1
移動中に木端ミトコンドリア

54 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/22 02:46 ID:nAXOanxh
ゴジュラス、デスザウラー・・・とゾイド
は東宝怪獣映画へのオマージュに溢れているなあ。

55 :_:03/07/22 03:44 ID:???
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/hankaku10.html

56 :_:03/07/22 03:57 ID:???
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

57 :みっくす:03/07/22 09:21 ID:???
モデルと見習とマネージャーのみんなでHP作ったので、遊びに来てください。
写真も沢山あるし、気軽に話せる掲示板もあるよ。
http://be-cam.port5.com/yukiyuki/
*注意:アダルトサイトではありません。

58 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/22 22:32 ID:???
週末までには、続きが書けるかも知れんので
もう少し待ってくだせえ (;´Д`)

59 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/26 20:35 ID:???
|д´)ワクワク ソロソロツヅキクルカナ?

60 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/27 12:21 ID:???
|д`)ワクワク ソロソロツヅキクルカナ?

61 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/27 21:23 ID:???
「初対面っていう奴らもいるだろうが、挨拶は後回しだ……」
 と、いった幕開きで、簡素な打ち合わせが始まった。各ゾイドは頭を内側に
した円陣にて密集を組み、更にその内側でそれは行われていた。
「おいおい、そりゃ無茶ってもんじゃないのか?」
 話が半ば進んだ所で、ジャックが、しかしあくまで冷静な風に言う。
「それともそっちのお嬢さんは軽業師だとでも言うのか……?」
「信じないってのかい?」
 リーゼが返す。
「悪いが、この目で確かめてみない事にはな。無謀な事をして大事になるのは
ご免被り………………」
 ジャックの視線が、上に向って動く。約二秒後に、それは彼の背後に移って
いた。
「…………嘘だろ?」
 一跳びで自らの頭上を飛び越え、背後に着地したリーゼに対し、彼はそう
返す他は無い。その上、喉元に刃物を突き付けられた日には尚更だ。
「わかったかい?」
 彼女は笑みを浮かべ、刃物を引いた。
「ああ…………」 
 含み笑いすらしているレイヴンに対し、GFに関わる者以外の反応は、
ジャックと大同小異である。アーバインは続けた。
「みんな、納得できたか? 出来たらとっとと準備だ。早く済ませるに越した
事はないからな」 
 

62 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/07/27 21:24 ID:???
そして、ジャックとクリスに彼は告げる。
「お前等の腕前を疑うわけじゃあないが……出来るか?」
「あんたの思ってる通りだ。こいつはちょいと難しいな」
 アーバインは、それに対し、言う。
「だが『難しい』と『無理』は違うよな」
「…………ふ、確かにな」
 ジャックはきびすを返すと、クリスに言う。
「話は飲み込めたか?」
「ええ、任しといて!」
 バンもレイヴンに言う。
「あいつらしい大胆な作戦だな……」
「ああ。だがそれも彼女を信頼しての事だろう」
「それにしてもすげえよな。古代ゾイド人ってのは、みんなああなのか?」
 フィーネが答える。
「みんなが運動能力が優れてるわけでもないの。あたしには、あんな事は
できないわ。でも、昔は色々と変わった力を持ってる人が大勢いたのは事実よ」
「ま、人それぞれって事だな。俺たちも行くぞ」


63 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/28 19:50 ID:aYCNploR
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

64 :_:03/07/28 20:00 ID:???
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

65 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/28 23:54 ID:???
マッタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!


66 :名無し獣@リアルに歩行:03/07/29 21:45 ID:???
乙彼

67 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/01 12:47 ID:???
乙女

68 :ぼるじょあ ◆yBEncckFOU :03/08/02 04:04 ID:???
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ

69 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/02 21:33 ID:???
ageときましょ。

70 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/05 22:20 ID:???
週末までには二話くらい上げる方針なので、少しお待ちを……

71 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/06 16:54 ID:???
あげ


72 :_:03/08/06 16:58 ID:???
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/jaz08.html

73 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/08 21:14 ID:???
コングの巨躯をも揺るがす地響きが、断続的に起こる。間隔はやや長めか。
シュバルツは、操縦桿を握る手に汗を滲ませ、しかし冷静に告げる。
「来るぞ。総員準備はいいな」
 彼は、言った後思う。いざ直面してみると、何とも無茶な作戦だな……
だが、後戻り出来るものでもない。彼は、一度息を吐くと、告げた。
「ドウクツエビ、爆破の秒読みを開始する」
「諒解。秒読みを開始します」
 直後の事である。不意に、しかしおもむろに巨大な黒い塊が、斜面から顔を
除かせた。地響きが一回起こる毎に、塊はその姿をあらわにしていく。
 シュバルツは、予測していた光景を冷静に眺めつつ、また思う。
「…………奴がこの至近距離で熱線を吐いたら、一巻の終わりか…………」
 しかし直後、
「引くぞ!! 爆破を開始しろ!!!」
 ドウクツエビからの信号で、その頭上に在る爆薬が爆破される。それに
反応したゴジラが、一歩足を止めた。


74 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/08 21:14 ID:???
「えぇい!! ままよ!!」
 だが、そこで手を緩めればドウクツエビ救助は適わない。予定通りに
爆破は続き、同時にコングはケーブルを手繰る。
 ゴジラが、大きく吠えた。コングはかまわずケーブルを綱引きの様に
ひたすら手繰り続ける。
「…………大佐…………」
 激しい振動とともに、通信が入る。
「全爆薬を爆破します。あとはよろしく……ッ……」


 ゴジラの立つ斜面が、土砂となってゆっくりと、それでいて激しく
崩れる。陥没は、予想以上の速度でコングに襲い掛かった。
「無茶をッ!!」
 コングは、鰹の一本釣りよろしく、渾身のパワーでケーブルを引き抜いた。
 と、同時に背の高機動バーニアを全開にし、素早く背後に飛び退く。
 地の底から爆音が次々と響く中、シュバルツはバーニアの出力を全開に
保ったままケーブルを引き続けた。
 と、崩れる黒い大地に沈み行くゴジラの喉が、眩い光で満たされる。
「!!!!!!」
 ケーブルで雁字搦めになったドウクツエビが、土砂とともに地表に
躍り出たのは、それとほぼ同時だった。


75 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/09 00:23 ID:???
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
でもイマイチドウクツエビの役目が分からん。

76 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/15 01:42 ID:???
ゴジラの口腔が、白く輝く。直視すら難しいほどの光だ。
手繰り寄せたドウクツエビを片手に全力で後退しつつ、シュバルツは
思った。万事休すか……
ゴジラの口から、破壊の吐息が放たれたのは次の瞬間だった。

「………………!!!」
その輝に、シュバルツは目を細める。と、彼は機体に妙な衝撃を感じた。
と、思うや、コングの巨躯は急激なGとともに宙へと引き上げられる。
バーニアの出力調整でも狂ったか…………!?
否。バーニアの出力による所も無いではなかったのだが。

「…………天定まって亦能く人に勝つ」
それは、低い男の声だった。
「……何!?」
コングを宙へと引き上げたもの、それは、二機のストームソーダだった。
ソーダから放たれたワイア−がコングの両肩を捉え、牽引しているのだ。
「我ら災厄の行手を遮る翼の男爵、アーラ・バローネ。大佐、危うくなって
申し訳ございませんでした」
女性の声が告げる。
だが、ゴジラの熱線は無情にも三機目掛けて放たれた。
筈であった。


77 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/15 01:42 ID:???
……本来ならば。
ゴジラの横面を、機銃掃射が捉える。ゴジラの絶叫とともに口腔を満たして
いた光は消え失せ、彼は首をよじった。
「ほう! 天晴れなるは荒鷲の子か!!」
「止めて下さいよ、時代劇じゃないんだから……」
 天を仰げば、そこには一機のレイノスが旋回している。そのパイロットである
少年の声が、アーラ・バローネ……ロッソの声に答えた。
「すみません大佐、レアヘルツの影響でナビが……」
「少年よ、話は後だ。それより彼を受け止められるか!!」
 シュバルツは、荒鷲の子に告げる。
「ちょいと揺れるが、許せよ!!」
 コングはドウクツエビを引き上げたワイヤーを適当な長さに引きちぎると、
その端を持ち勢いよく放った。
「うわぁ!! 危ないっ」
 は、天高くも放られたドウクツエビを、寸での所で
キャッチする。
「すみません、大丈夫ですか……?」
「ああ……何とかな。それより有難う……あー……」
「ジェミーです。ジェミー・へメロス。チーム・ブリッツの」
「そうか、俺は……うぉッ!?」
 ゴジラが今度こそ熱線を吐いた。ジェミーはレイノスをシュバルツと
ホエールキングのいる方向とは逆に飛ばす。
「ジェミー、彼を安全な所まで送ってやってくれ!! さてと、翼の男爵」
「は、」
「王子様は無事逃がしたが、私は最後の仕上げをしたい。悪いが降ろしてくれないか」


78 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/15 12:54 ID:???
これまでの話もまとめて読みたい・・・。

79 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/15 16:59 ID:???
78>>
前スレがやっとHTML化されてました。

http://hobby.2ch.net/zoid/kako/991/991047666.html

一つよろしく

80 :山崎 渉:03/08/15 20:24 ID:???
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

81 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/17 01:44 ID:Cw/rM1Kf
age

82 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

83 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/20 21:23 ID:???
こうして前スレから見返してみるとずいぶん息の長いスレなんだなあ。
これからも頑張ってください。

84 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/20 23:35 ID:???
最近書けるペースがガタ落ちして、申し訳ない限りではありますが (;´Д`)

とりあえず、今度のゴジラが公開される前には完結する予定です。

85 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/21 00:23 ID:???
>>84
あまり焦らずマイペースでがんがってください。

そういえばゴジラ50周年映画ってかなり怪しいようですよ。
今年は今のうちに前売り買って東宝援護した方がイイのかな・・・

86 :展示スペースないのでアートスタチューで我慢:03/08/22 11:33 ID:???
エンディングテーマは
『キンゴジュ〜の背にぃ乗ぉて〜』でよろしいでつか?

87 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/25 17:46 ID:???
前スレは読んでなかったからようやく話が分かった。

88 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/08/27 23:20 ID:???
「……諒解しました。大佐、制動の用意を」
「解った。私の合図で切り離してくれ」
「諒解。高度を下げます」
 コングPKのマニューバスラスターが動き、バーニアから青白い炎が吹き出す。
 コングを吊ったストームソーダは、山肌すれすれを滑るように飛ぶ。
「よし、今だ!!」
 電磁石にてストームソーダとコングとを繋いでいたワイヤーが切り離され、
コングPKは、崩れ行く大地のまさに淵へと着地した。と、同時にコングの足元が
崩れる。コングは爆破による地下大空洞の崩落から逃れるように、四肢を駆る。
 山津波をかき分けるように、ゴジラ体を起こした。だが、さしもの彼も
沈み行く巨体を止める術を持たない。あまりに大量の土砂の流れも、ゴジラの
巨躯からすれば流砂の流れのように緩やかだった。
「やはり何者かに動きを任すよりは、地に足のついた上体で狙うに限る……」
 コングPKは、右手を軸に豪快に反転した。巨大な鉄の足が土煙を上げる。
「ほう、よく頑張っているな……と誉めてやりたいところだが、そろそろ潮時だ」
 コングPKの背から、一際長い二本のミサイルが放たれ、一直線にゴジラへと飛ぶ。
 一本は、大きく揺れ動くゴジラの胸、そして今一本が脇腹に刺さった。
 ゴジラは、巨大な咆哮を上げ、爆発もせず胸に刺さった長いミサイルを右手で
引き抜く。そして、
「それを待っていたッ!!」
 その傷口に、コングPKの背に残る二発の内、一発が放たれた。
 ミサイルは、ゴジラとの中程の距離でカバーが外れ、中のD−03の姿を露にする。
 D−03は、そこから更なる加速を得、吸い込まれるようにゴジラの胸へと空いた
弾痕へ突き刺さった。
 D−03が高速回転を始める。
 それと、ゴジラが山津波の中へ絶叫も半ばにして埋没しきったのは、
ほぼ同時だった。 


89 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/28 20:18 ID:keSPTIeF
>>86
「銀の龍<キンゴジュ>の背に乗って」でしょう。

90 :gojugiga ◆o2okZzutw2 :03/09/04 22:44 ID:???
深紅のコングが走る。その背後で大地が文字どおり音を立てて崩れる。
「大佐! 急いで下さい!!」
 ホエールキングから通信が入るが……
 ええい、判っている!! 話し掛けるな!! 声に出すいとまもない。
 大地は、ゴジラを飲み込み尚も荒れ狂った。
「…………ッッこちらシュバルツ、…………爆発のパターンは予定通りか……ッ?」
「現在計測中…………爆破の深度が予想値より若干浅いですが、ここまでやれれば
成功でしょう」
 ……駄目だ、それでは駄目だッ!!
 コングは、背のブースターを吹かし地崩れから距離を開けると、再び地崩れと
対峙した。 
 コングは背に腕を伸ばすと、短い方のミサイルを一発手にする。
 コングはそれを、天高く掲げた。
「お前には、少しでも寝坊しててもらいたいからな……」
 コングの手の中で、ミサイルのカバーが弾け、回転するD−03の弾頭が露に
なる。
「やつの救助を躊躇っていたら、まさに犬死にされてしまったところだ……」
「大佐、何を!?」
「最下層のガス層が、一部不発のまま埋もれてしまったらしい。D−03で誘爆
させられれば、それを閉ざしてる硬い岩盤ごと崩壊がおこせる。そうすれば、
崩壊した岩盤が幾重にも折り重なりゴジラの動きをかなりの間封じてくれる筈だ」
 D−03のジェットが天に向って吹き上がった。
「緊急浮上だ。ホエールの居る位置まで崩れるぞ」
「り……諒解!! 大佐、御無事で……!」

91 :gojugiga ◆o2okZzutw2 :03/09/04 22:44 ID:???
「おいおい、死地に赴くのではない。今からそちらへ帰還するというんだぞ」
 笑いながら、青年将校は告げる。そして、ジェットを吹かす特殊兵器を彼は
崩れ行く大地に向って突き立てた。それは、何の抵抗も無かったかのように
土煙を上げ大地に潜って行った。と、同時に地割れが起こり、コングの足元が
崩壊を始める。コングは、ホエール目指して巨体を駆けさせた。
 だが直後、コングの目前の大地が避け、そこからガスが吹き出した。
「山全体が崩壊を始めたか……」
 無論、これを黙って受け入れるシュバルツでは無い。
「少し無理をさせるが、許せよ!!」
 彼は愛機に言い聞かせると、コアの出力を最大にした。コングはナックルで
大地を蹴る。
 前方で地盤沈下。飛び越えるコング。左方で崖崩れ。避けるコング。
 大形ゾイドのスケールで矢継ぎ早に起こるそれは、まさに天変地異と呼ぶに
相応しいものだった。
 眼前の丘の向こうに、ホエールキングがいる。浮上中のホエールの口に
飛び移り、そのまま難を逃れるという塩梅だ。
 危うい所で間にあったか………………
 
 コングを、地割れが追い抜いた。
「…………!!!!!」
 シュバルツは、ブースターを最大出力で噴射させた。だが。
「燃料が尽きた……か…………!!!」 
 空中で、情けない音とともにジェットの噴射は途切れた。
 眼下には、巨大な地割れが大口を開けてコングを待ち構えている。

 だが、コングを飲み込んだのは、大地の大口ではなかった。
 
 コングを口の中に収めたもの、それは、丘を越え、全速前進をした
ホエールキングだった。

92 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/05 13:20 ID:???
>90-91
別人?

93 :340 ◆ARwUPMzhD2 :03/09/05 20:02 ID:???
うむう、トリップ間違えますた (;´Д`)

94 :340 ◆o2okZzutw2 :03/09/05 20:05 ID:???
ちょっとテスト……

95 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/05 20:46 ID:???
ちょいと不都合が出ましたんで、今度からこのトリップで行く事にしました……
寝ぼけて書き間違えたようです。すんません

それでは本文を……

正に小魚を飲み込む鯨の様に、ホエールキングはコングを口腔へと
収めた。コングは、口腔内に予め張られたネットによって受け止められ、
その巨体を停止さす。その間、半ば横倒しに口腔内へと滑り込んだ
コングは、火花を上げ幾度かバウンドした。
 救護班、消防班がコングの周囲へと急行する。背に黄色い非常灯を
付けたイグアンが、アームをコングの目尻にあるイジェクトパネルに
伸ばした。 
 エアー音とともに、コングは主人を解放する。
「…………ピノッキオの気分が理解できたよ……いや……あれはフカ
だったかな………………」
 こちら救護班、大佐の生存を確認!! 報告がブリッジに届くと、
歓声が沸き上がる。
 
 シュバルツは、ブリッジに伝えた。
「生還を祝してくれるのは有り難いが、ここはまだ喜ぶ場面ではないぞ」
 そして、心の中で付け足した。
「…………これは迂闊には死ねんな…………」
 彼は、再度ブリッジに伝える。
「この続きは、作戦を終えた暁に取っておくとして、だ。早速だが
GFの移動本部に連絡を入れてくれ。彼等と別行動を取っている、クルーガー
大佐と話をしたい」
「諒解!」



96 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/05 20:46 ID:???

 その一方でリーゼ、アーバインを中心とするKG攻略部隊は、シュバルツらとは
逆に今正に戦いを開始するその瞬間を向かえていた。
「念の為にもう一度聞くがな……この『曲芸』を中止する気は無いんだな?」
 ジャックがアーバインのサイクスに問いただす。答えたのはリーゼだった。
「君もしつこいな。やると言ったらやるんだ!」
「お前も観ただろ、こいつの『曲芸』をよ」
「ああ、だがな…………」
 賞金稼ぎは、アーバインの問いかけに煮え切らない答えを返す。
「自信がないなら、抜けたらどう?」
「そういうわけじゃない。確立……可能性の事を言ってるんだ」
 クリスの言葉に、ジャックはあくまで冷静に語った。
「ちょっと待ってな」
 およそ十秒の間を起き、彼は答えた。
「すまんな。気の迷いだったようだ」
「あんた、何やってたのか想像つくわよ」
「御理解どうも」
「……大丈夫か?こいつ」
 アーバインが、情けない風な声で訪ねる。
「人一倍縁起を担ぐってだけで、腕は確かよ。そうでしょ?」
「ああ」
 ジャックの解答は、心無しか嬉しそうだった。
「軍隊には向かんタイプだな……」
「それは、ここの誰もがそうじゃないのか?」
 皆の間から、微かな笑いがこぼれた。
「さあて、朝礼はここまでだ。行くぞ!!」
 アーバインの一声を合図に、KGへの作戦はここに開始された。


97 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/07 05:06 ID:???
>ピノッキオの気分が理解できたよ……
(・∀・)イイ

98 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/19 23:38 ID:???
土日に、いくつかまとめて書けるかも
とりあえず保守代わりに……

99 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/20 00:32 ID:???
>>98
頑張ってください。
俺からはこんなことしか言えませんが。

100 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/21 18:44 ID:???
がんばって!

101 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/22 22:05 ID:???

 彼等と、KGとの距離は近かった。近いと云っても、厳密には
目算に過ぎない。しかし、厳密な計測的距離を除けば、それは
あらゆる意味合いにおいて極めて至近距離にあるものだった。
 片の視界をレンズ越しに覗く賞金稼ぎに、最早背後の少女へ
問い掛けるべき言葉は無い。双児の片割れも、大戦の勇者も、
音速の賭博師も、かつての破壊者も、そして以前、青い悪魔と
畏れられた当人でさえ、全員との段取りは完璧に完了していた。
 アーバインのサイクスを先頭に、サイクス二機と、そして
装甲が幾分外れたフューラー、ライガーイクスが続く。
 その前方を、山の様に巨大な機械獣が、ビルディングのような
両足で大地を踏み締め、歩む。
 ある一歩を踏み終えた時、それは歩を止めた。
 頭を、ゆっくりと回す。それに首と、上体が続く。 
 巨大な機械獣は、背後を紅く輝く目で睨んだ。
『……気付かれたか? 畜生め、海兵隊は相手にしなかった
くせしやがって!!……』
 KGは、右足、左足をゆっくりと動かし、巨体を方向転換
させにかかる。
『気をそらしちゃ駄目だ! このまま走って!』
 リーゼの声が、直接頭に聞こえる。
『…………』
 アーバインは、ままよとばかりにサイクスを走らせた。が、
直後にリーゼの言葉の意味を悟る。
『なるほどな、そういうことかい!』
 コンソールのレーダー表示に、高速で接近する物体が二機、
はっきりと映っていた。

102 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/22 22:07 ID:???
 レオンは、自らに似た名の科学者の言葉を思い出していた。

「…………だが、残念な事に私の科学力をもってしても再現
不可能な箇所があった…………いや、技術的な問題じゃないぞ、
あくまで時間がだな……」
 その余りに印象的な語りは、さして重要で無い部分ですら
彼の脳裏に明確に再現される。
「とにかく、だ。背のマグネッサーウィング……これだけが
ここの設備と限られた時間だけでは、修復が間に合わなんだ」
 レオンはここで、飛べないのですか? と問うた気がした。
「残念ながらな。マグネッサーの増幅器を修理するための
パーツが用意できなかったのだ。それでも安心しろ。飛ぶ
事は無理でも、長距離ジャンプくらいはできる。無理すれば
その間の多少の方向転換もできる。まあ、問題があるとすれば
無茶をすると、いつマグネッサーがオーバーヒートするか
わからん点だが、君くらいの腕前ならば大丈夫だろう」


103 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/09/22 22:07 ID:???
 空中でそれが起こるとどうなるか、とも聞いた気がする。
「無論その場から、放り損ねた石のように急激な角度で失速し
墜落するだろうな。なにせ航空力学なんぞ無視して、マグネッサー
のパワーだけで、こんな四つ足ゾイドを飛ばしてるわけだからな」
 そして、その次は自分の質問無しで、彼は続けた筈だ。
「しかし、四つ足の高速ゾイドとしては、現用のものに勝るとも
劣らんぞ。そっち方面だけは抜かり無く整備しといたからな!!」

 ラオン博士の豪快な笑いが余韻として消え行く中、当該ゾイドの
コクピットにてレオンは操縦桿を握りしめた。
 ハイヤァッ!! と声高にレバーを引き倒す。
 
 オルディオスは、背の翼を大きく広げ、荒野の大空へと跳んだ。

 そして、ここに今一人。
「ええいまったくッ とんだ遅刻だぜ!!」
 イェ−ガーの装備に身包んだライガーを駆るビットの姿が
そこにあった。


104 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/02 21:27 ID:???
ほしゅぅ

105 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/02 21:39 ID:???
KGは、大地を蹴散らし巨体を転じさせた。これほどの
巨大構造物がこれほどの速度で動くのを見るのは、デスザウラー
以来の事か。あまりに禍々しい記憶のせいか、以前ゴジラと
これとが戦った事が、偉く昔の事に思える。
突如復活したデスザウラー。それに引き寄せられるかのかの
様に発見されたゴジラ。目の前に立ちはだかる姿が、デスザウラー
のそれでないという事すらも、今は一つの救いになる。
「だが、現実はどうかな……」
「ジャック!」 
 クリスがたしなめた。
「悪い。口が滑ったようだ…… それより、まず奴の背後を
取らん事にはな……」
 KGは、前大戦末期に建造された、言ってしまえば究極の
ゾイドだ。永きに渉る戦を集結させるために、高性能の一点張り
で造られた巨大機械獣は、頭脳においてもそれは例外ではない。
そうは思いたくは無いが、自分達が奴にとって危険な存在で
ある事をいち早く察した事からも、それを察する事が出来る。
アーバインは思った。心底、それが思い過ごしであってくれたらと。
「とりあえず、だ……くっ喋りながらの戦闘は気が散る。リーゼが
いいもんを貸してくれるとよ」
「へえ、何をだ?」
 バンの問いにアーバインが答える。
「お前も見た事あったよな。あの時の『虫』さ」
 バンは、かつての戦いでリーゼに受けた痛手を思い出す。
「操ったりなんざしねえとよ。ま、シュバルツがいたら、確実に
断ってただろうけどな」
 アーバインは、口答にてリーゼに言う。


106 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/02 21:39 ID:???
「おっと、悪ィ……」
「いいんだ、それより説明は済んだかい?」
 アーバインは、ああ、と答え皆に言う。
「そういうわけだ。首筋に虫が一匹たかるが、そのままにしてろよ!!」
 そして。
『精神世界へようこそ!』
『妙な感じだな……ま、舌を噛む心配はなくなったか』
『でも、いつのまに潜り込ませたの?』
『ごめん……最初からだったんだけど了解を取るタイミングがね……』
『そういえば、バラットの姿が見えないが……』
『ああ、彼なら助っ人を向かえに行ったわよ』
『今近付いてる二人の事か?』
『もう一人、声がかかったんですって』
『待ってる暇は無いな。俺達だけで済ませられるなら、それに越した
事はないだろう』
『まずは撹乱からだ。アーバインのサイクスがメインだって事を悟らせるなよ』
 これらの会話が、念話だと驚く程短時間で済む。なるほど、戦闘中には
持ってこいのアイテムだ……それが一致した見解だった。
『いくら素早いとはいっても、所詮はでかぶつ……さて、ついてこれるかな!?』


107 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/02 21:41 ID:???
ようやく新しいのが書けました……
お待たせしてしまったようで……

108 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/05 16:12 ID:???
いえいえ!
まーあ相変わらずリーゼカッコいい・・・

109 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/12 02:27 ID:???
『バン、なるべく、一方向を向かせておいてくれ……そう、10秒ちょっとでいい!』
 バンとレイヴンが、KGを誘き寄せる。だが、KGは周囲を走り回る
3機のサイクスが気にかかるらしく、落ち着き無く周囲を見回す。
『背後を取ろうったって、あの尻尾を避けてか?』
 ジャックの念話がアーバインに届く。
『そうだ。だがサイクスごと飛び乗るってわけじゃねえ。ヤツにしてみりゃ、
ノミがたかったほどにも感じねえだろうよ』
 アーバインは続ける。
『急かすわけじゃないが、悟られない内に済ませたい。次のタイミングで行くぞ!』
『……いいだろう』
『OK!』
 一方、バンとレイヴンは……
『どうした!? 走りがだらしなくなってきてるぞ!!』
『どうやら、ちょいと脚にきたらしい』
 バンが答えた後、フィーネが告げる。
『脚の駆動系に疲労がたまってるみたい……機動力はベストコンディションの
65%くらいしか出せないわ』
『そのままだと、機動力は落ちる一方だな。離脱でもするか?』
『冗談!! すまねえライガー、もうちょっと辛抱してくれよ!』
『ヤツに狙われやすくなったのはいいが、踏みつぶされるなよ』
『そういうお前もな』
 事実、フューラーも長期にわたる高出力での駆動や、先の戦闘によって
かなりのダメージをその機体に蓄積させていた。各部をチェックする表示の
過半数が、危険な数値か或いはその寸前を指し示している。
『……こんな時、シャドーが居れば楽なんだがな……』
『こうなる事はお互い承知で、あいつらを預けたんじゃないか』
『それもそうだな……アーバイン、今ならこいつは俺達に気をとられてる。
やるなら今だ!!』


110 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/12 02:28 ID:???
『よし』
 アーバインのサイクスが、KGの真後ろに、距離を開けて瞬時に廻り混む。
 同時に、ジャックとケリーのサイクスがそれぞれ時計回り、反時計回りに
KGの周囲を回り出す。それぞれ、速度が微妙に違う。
 KGは巨体を立ち止まらせ、周囲をゆっくりと見回す。
 次の瞬間が訪れる前に、アーバインのサイクスはKG目掛けてダッシュした。
『行くぞ!!』
 そして、KGに飛びかかるように、サイクスはジャンプした。 
 だが、相手はデスザウラーより更に巨大なKGである。サイクスの最高到達点は
KGの背中の中程までしかない。 
 だが、作戦にはそれだけの高度があれば充分だった。
 だが。
『!!』
 KGの巨大な尾が、左からアーバインのサイクスに迫る。
 その桁外れのサイズによるものか、はたまたアーバインの無意識の覚悟に
よるものなのか。それは、ひどく遅く感じられた。
『……しまったか……』
 しかし。
「あとは頼んだぜ!!」
 最初の、あ、を発音し終える半ばで、アーバインは手許のスイッチを押した。 
 
リーゼの後部座席が、次の瞬間サイクスコクピットの天井を突き破り、射出された。


111 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/12 03:12 ID:???
その次の瞬間、リーゼの真下を凄まじい勢いで巨大な金属の塊が通過し、
彼女が今まで乗っていた機械獣を凪ぎ払った。
 サイクスは、きりもみをしながら真横に弾きとばされる。
 しかし、リーゼに迷っている暇は与えられていなかった。
 射出されたシートは、次第に高度を上げ、ついにはKGの首筋にまで
達した。その間に、上からの風圧を受けながらもリーゼはシートベルトを外し、座席の上に両足を乗せて立て膝の態勢をとった。
「ッてやあーッッ!!」
 彼女は、かけ声もろとも渾身の力を両足に込め、跳躍した。蹴られたシートが
眼下へ落ちて行く。
 だが、そこに些細なミスが生じた。
『……しまった!』
 KGの半歩は、実に十数mの距離を生む。リーゼの目の前の背中が、急に遠退いた。
『俺を踏み台にしろ!』
 その内容を意味する思念が頭を過る。彼女は瞬時にそれを理解した。
 リーゼの足元を、ジャックのサイクスが通過する。そこに彼女は着地する。
 1/4秒後に、再度跳躍をする。
 そして、二秒後。彼女の手許には、KGの首筋にある非常用ハッチの手すりが
迫っていた。
「!」 
 それを、リーゼは間一髪で掴む。

『バン、レイヴン、離脱しろ!! 作戦は成功だ!!』
 ジャックからの念話が告げる。
「ふう……やった……か……」
 だが、バンの油断が次の一歩を踏み誤らせた。
「!!」
 疲労に疲労を重ねたイクスの右前脚が大地を掴み損ね、機体を転倒させたのだ。

 

112 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/12 03:13 ID:???
……しばらく暴れないでいてくれよ…………
 リーゼは、手すりに右手だけでつかまりながらも、小さなハッチに在るパネルを
開く。パネルはスライド式になっており、以外と分厚い。すると、中にはテンキーが備え付けられていた。
 彼女は、事前にGFから得たナンバーを思い出すし、それをゆっくりと入力した。
 そして、ハッチの把手に手をかけ、把手を動かす。
「…………?」
 彼女は、何度かそれを繰り返す。
「…………!!!!」
『アーバイン、コードナンバーを覚えてる?』
 だが、彼からは念が帰って来ない。
「くッ…………」
 いや、聞いた所で事態は変わらないだろう……そう、コードは断じて間違っては
いない筈なのだ。
 しかし、もう手が無いわけではない。テンキーを被うパネルは装甲になっており、手で開けない限り他の手段では開かない構造になってはいる。しかし、これは
テンキーの構造を護るためのものでは無い。テンキーとともにハッチを開ける
強制解除手段として存在している、火薬着火装置の戦闘に寄る御作動を防ぐ
ためのものなのだ。テンキーの下に、シリンダー錠の鍵穴に似た穴があるが、
ここに専用の着火装置を挿入し、引き金を引く事によってハッチは強制解除
される仕組みとなっている。
 ……なってはいるのだが、その着火装置はKGが開発されていたファクトリー
からは、ついに発見できず、ハインツの手によって処分されたものであると
見られているのだ。だからこそ、コード入力に頼る作戦が立案されたのである。
 ……ヤツめ、キーを処分して、その上コードまで変えたってわけか……
 急ごしらえでもいいから、代用品でも造っててもらうべきだった……
 
『そのまま! 動かないで!!』
「え?」
 リーゼが我が目を疑ったのは、次の瞬間だった。


113 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/12 03:14 ID:???
たまには、あげてみる。

114 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/12 14:32 ID:???
続きキタ---(゚∀゚)---!
ちゃんと見てます。がむばってください!

状況が困難過ぎて続き気になるぅ。

´-`).oO( フニャコ フニャオ先生のオシシ仮面のようだ・・・

115 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/13 20:46 ID:???
ヒサビサキタ――――!!
リーゼタソリーゼタソリーゼタソ本当にもうカッコいいんだから!

116 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/16 00:54 ID:???
訳も判らず、リーゼはそのままの姿勢で固まった。右手で手すりに掴まり
つつも、左脇を空けた状態である。
 声の主は、どうやら何処からかその様子を伺っているらしい。
 と、思った瞬間の事だった。
「!!!!!!!!」
 リーゼの傍らで、一瞬凄まじい衝撃が走る。彼女が自我を取り戻したのは
それから十秒ほど経ってからだ。
「……!!」
 脱力し、思わず右手を手すりから離しそうになるも、寸での所で握り直す。
 あぶなかった…… 彼女の額を、冷たい汗が流れる。と、そこで彼女は
先刻何かが爆ぜた、その場所を咄嗟に見つめた。
「……これは……?」
 強制解除装置の点火孔が、いつのまにか何かによって打ち抜かれている。
 いや、いつの間にか、ではない。先刻の衝撃、あれこそが、それが行われた
瞬間である事は、瞬時にリーゼにも理解できた。
 リーゼは、誰が行ったか疑問に思うより早く、ハッチの把手を握る。
 ガコ、といった手応えとともに、それは容易に開いた。彼女は素早く中へ
潜り込む。
 屈んで通れるほどの狭い通路に、リーゼはへたり込み大きく息を吐いた。
『どうやら、ちゃんと当ったみたいね』
 女性の声が頭に響いた。

 KGより離れる事およそ5キロの地点に、彼女は居た。
 KGに背を向け、尾の先端から硝煙をたなびかす紅いガンスナイパーが、
その乗機だ。傍らには、シャドーフォックスが佇んでいる。
 彼女は、ふう、と息をつくと、照準から目を離した。
「どうやら、間に合ったようだな」
 バラットが、彼女に無線にて語りかける。
「ええ。この作戦に、狙撃手が何の役に立つのかって思ったけど、無駄足に
ならないで良かったわ」
 

117 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/16 00:56 ID:???
彼女は、バラットより借りた『虫』にて、リーゼに念話を送る。
『自己紹介が遅れちゃったみたいね。私はナオミ・フリューゲル。今回、狙撃
関係のお手伝いをさせて頂くわ』
 ナオミ・フリューゲル。競技者、賞金稼ぎ、傭兵、そして軍人。ゾイド乗りを
する者に、凄腕の狙撃手『紅き閃光』の名を知らぬ者は少ない。幾度となく軍に
スカウトされるも戦争の道具となる事を嫌い、あくまで自らのポリシーに則り
行動する彼女を慕う者は数多いという。
 彼女の乗機であるガンスナイパーを旧式と侮る者もいるが、そうした者の
多くはゾイドの何たるかを理解していない、と彼女は言う。勝手の悪い新品
より、手に馴染み整備が行き届き、何より『コアの波動』を肌で感じ取れる
パートナーであればこそ、その性能と能力を極限まで引き出す事が出来る、
それが、彼女が頑ななまでに愛機を変えない理由だった。
 事実、ガンスナイパーの改良機である筈のスナイプマスターを駆る者で、
彼女に勝るスコアを持つ者は、今の所誰一人として現れてはいないのだ。 
「ちゃんと役にたっただろ?」
 シャドーフォックスより、バラットが告げた。
「ええ……でもこれ以降、出番はあるのかしら?」
「待ってれば意外とあるかも知れないぞ」
「じゃあ、そうさせてもらうおうかしら……」
 

118 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/16 00:57 ID:???
ナオミは、念話を再開させた。
『ところで、あなたは大丈夫? 破片とか飛んで来なかった?』
『ああ……見事なもんだったよ』
『……これって念話なのよね…………何か息切れしてるみたいな
イメージが伝わってくるけど……』
『ちょっと焦ったからね……でも、もう大丈夫。それじゃあ、また何かあったら
よろしく』
 そこで、リーゼの念は中断された。
「どうやら彼女、取込み中らしいわ」
「大詰めだからな。さて、俺は奴らの救援に行ってくる。その機体じゃ、そういった
作業は向いてないだろう」
 バラットは続けた。
「近くにGFとトロス博士のホバーカーゴが来てる。ここで彼等を待ちながら待機
するもよし、今から向うもよし、だ。どうする?」
 紅い狙撃手は、ここで待つとの返答をする。
「よし、それじゃあ一走り行ってくる。すまんが『虫』を返してくれないか」
 バラットは、言うとフォックスのハッチを空け、虫を受け取った。


「…………つッ」
 リーゼは、狭い通路に背を預けつつ右の脇腹を押さえた。
 そこは、ダークスパイナーに乗っている際に負傷した箇所だった。
 当時の記憶が蘇る。
 KGに念を送るべく、傍らに立つダークスパイナー。
 そこへ接近する、海兵隊の流れ弾。
 そしてそこから降り注ぐ、無数の『針』。
 『針』が、ダークスパイナーのコクピットを突き破る様が、スローモーション
となって再生された。
 
 リーゼは、しばし目を閉じる。彼女は、右脇腹からゆっくり手をどかすと、
姿勢を低くしたままKGのコクピットを目指した。


119 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/16 06:43 ID:???
ナオミ(°∀°)キタァー!!!

「『コアの波動』を肌で感じ取れるパートナーであればこそ、
その性能と能力を極限まで引き出す事が出来る」(°∀°)キタァー!!!!!!

120 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/17 23:56 ID:???
その一方で、また別の作業に悪戦苦闘する一団がいた。
最初にGFとゴジラとの戦場となったレアメタル鉱山にて、破損したゾイドを
改修する者達である。
 先の大戦で、共和国のゾイドはかなりの数が損なわれており、回収でもして
おかねば、とても戦力は維持できるものではない。
 無論、今は交戦状態であるから、さほどのゆとりを持つ事は出来ず、本来
なら悠長に回収作業などしている場合ではないのだ。
 しかし、ここに無理にでも回収せねばならない、重要な機体があった。
 ゴジュラス・ジ・オーガである。
 アーバインを射出したGTOは、ゴジラに盾にされ、プロトゴジュラスギガの
コア砲をその身に直撃させた。GTOの機体は石化し、コアは跡形も無く吹き
飛んだかに思われて居た。
 しかし、今回の回収作業で驚くべき事実が明らかとなる。そう、GTOのコア
は、死滅してはいなかったのだ。
「驚きましたね……こんな状態になっても、まだ生きているなんて……。ボディ
も石化しているというのに……」
 作業にあたった一人の兵が言う。


121 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/17 23:58 ID:???
「流石は、システム・オーガノイド……、といったところか」
 指揮官が答えた。それに兵は続ける。
「確か、GFのフライハイト大尉や、レイヴンが使ってたやつでしたか」
「の、応用版、といった方が正しいだろうな。ああいったオーガノイドが
独立したものではなく、あれらを分析したデータを元に、同様の機能を
ユニット化してコアそのものに付随させたのが、このシステム・オーガノイドだ」
 指揮官は続ける。
「同様のものは、ライガー・ゼロと帝国のバーサーク・フューラーにも
搭載されている。製造や維持にやたらと手間ひまのかかる代物だが、
御覧の通りコアの生命力や耐久力は格段に向上するし、オリジナルの
オーガノイドに比べてコアにかかる負担も格段に軽減されている」
「なるほど、それが、あのKGにも搭載されている……と」
「ああ。まあ、負担が軽減とはいっても、こいつのように元々のコアかから
して頑丈でなければならんのが難点だがな。だが、おかげで我々は貴重な
戦力を永遠に失う危機から逃れる事ができた。こいつだって、培養してやれば
数カ月で元通りだ」
「海兵隊は、そんなものを相手にあんな真似をしてたわけですか。しかも、
あんなに焦った作戦を取るから……」
「いや、それなんだがな……」
 指揮官は、表情を曇らせた。
「奴等の戦法は、結果は別として実は正しかったらしいんだ。あれ以上
戦いが長引いていたら、現状より更に悪い方向へ事態が進んでいたかも
知れんのだと」
 どういう事で? と訪ねる兵に、彼は続けた。
「あれに搭載されてたオーガノイドだがな、システムの方だけじゃない
らしいんだ……」

122 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/17 23:58 ID:???
キングゴジュラス・メインコア………………
 巨大な空間に据え付けられた、巨大なコア。銀色に輝く外殻の隙間から、
オレンジ色の光が漏れ、それが明滅している。デスザウラーのものをベースに、
かつてのキングゴジュラスの組織を移植して合成された、破壊の申し子とも
いうべき存在だ。

 それの中程に外接された、何かのレリーフのようなユニットがあった。
 ガーゴイル像のようなそれは菱形に配置され、ユニット本体に組み込まれた
というよりは、セットされた、といった風情で存在している。
 そこにセットされたそれぞれの名は、アンビエント、スペキュラー、シャドー、
そしてジーク、と云った。


123 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/18 05:14 ID:???
ア、ア、ア、アァァンビエェェェントォォォ!!!
スペキュラァァアァー!!!
シャドォォォォォォー!!!
ジィィィィィィーク!!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

124 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/25 20:00 ID:???
ア、ア、ア、アァァンビエェェェントォォォ!!!
スペキュラァァアァー!!!
シャドォォォォォォー!!!
ジィィィィィィーク!!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

125 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/10/31 22:27 ID:???
「アーバイン!! おいアーバイン、応答しろ!!」
ジャックの呼び掛けに、反応は無かった。念のため、『虫』を使った念話も
試みたが、何の応答も無い。
「ちいッ!!」
彼は、サイクスをKGの左脇に転がるアーバインの機体へと走らせた。
 ……それにしても、随分と飛ばされたもんだぜ……
 ジャックは思う。その距離実に1キロは在ろうか。野球でバッティングを
するように、宙で弾かれたのだから無理無からぬ事だった。
「バン、こいつは俺とこちらのお嬢さんが引き付ける。お前は戦線を一旦
離れろ」
 レイヴンは、その脚じゃどのみち無理だ、と閉める。
「リーゼが操縦するんじゃなかったのか? 潜入は成功した筈だぜ!?」
「こいつのコントロールをそう容易く奪えるものか。そうでなかったら
とっくにハインツがこいつを暴れさしてることだろうよ」
 続ける。
「GFのホバーカーゴ二隻と、ブリッツのも近くまで来ている筈だ。
そこまでなら何とかなるだろう」
「しかし……」
「バン、云う通りにしてあげて!!」
 後部座席のフィーネも告げる。
「この子はもう限界よ。せめて応急処置と、アーマーの換装くらいは
してやって」
 バンは、数秒ほど考えると、
「……よし!! 急いで行ってくらあ!!」
「ああ、道草するなよ」
 バンは、云う。
「すまねえライガー! もう一走りしてくれ……!!」 
 ライガーは、おもむろに立ち上がるが、その後脚からは時折火花が
散る。そして、目前にはKGが迫る。
 巨獣は、眼前の小動物を明らかに狙っていた。


126 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/11/04 17:37 ID:???
このスレ最高。「340」殿は天才。

127 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/04 20:48 ID:???
何をいまさら
もともと良スレであり、340氏は神なのである

128 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 17:20 ID:???
>>127禿同

129 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/05 22:33 ID:???
126>> 127>>128>>
これで書く余裕がもうすこし取れればいいのですが。
週末にまとめて書く予定ですんで、すこし待っててください……

130 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/05 23:41 ID:???
KGは、両肩を後ろにゆっくりと引く。もっとも、そのスケール
そのものがそう感じさせるだけで、実際は意外と素早く動かした
のかも知れない。その結果、二足歩行の巨大な構造物は何かを構える
ような体勢となった。
 その先には、イクスが走っていた。
「!!」
 後方をモニターにて確認したバンはフィーネに言う。
「掴まってろ!!」
 イクスは、大地を蹴り横跳びにはねた。そしてその跳ねた地点は
そのまま着弾地点となった。
 大地の色をした爆発が、イクスの背後で起こる。
 海兵隊ホエールキング『オカナガン』を葬った機関砲によるものだ。
 もっとも、今はそれも名ばかりで、フルオートで発射する事は出来
ないらしい。それが、唯一とも言える救いだ。
「…………今ので、また関節が傷んだな……」
 バンの額に、冷たいものが流れる。このままでは、技術的に避ける
事は可能でも、イクスの足腰が持たない。いや、それより厄介なのは
このままKGがイクスを追い掛けてしまっては、いずれホバーカーゴ
まで危険にさらされる事になる。
「ええい、レイヴンの奴!!!」
 と、直後の事だった。一筋の眩い光線がKGの横面を捉えたのだ。
 アーク溶接のそれにも似た白い火花をKGは散らす。
「勘違いするな。お前の相手はこの俺だ」
 KGは、攻撃が放たれた方角を観た。幾筋もの煙が、頭部の動きに
尾を引く。
「悪ィ!! 恩に着るぜ!!」
「俺の恩は高くつくぞ」
 冷却中のフューラーのコクピットにて、レイヴンは静かに告げた。


131 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/05 23:42 ID:???
バン、今の出力でも、冷却にはかなりかかる…………」
「わかってるよ!!」
 バンは、フィーネの言葉を遮り、叫ぶ。
「だがなフィーネ、ここで引き返してイクスに何をしろってんだ!?
そんな事をしても、あいつは逆切れするだけだぜ……」
 彼は続ける。
「俺はあいつとは何度も戦った。だから、あいつの撃たれ強さは良く
わかってるつもりだ…………」
「…………」
 フィーネは、言葉を返さなかった。
「今は信じるしか無いんだ……そしてあいつは、信じるに値する
実力を持っている…………今は信じよう、な」
 イクスは、大地を力強く駆けた。

「クリス・タスカーだったか? ちょいと頼みがあるんだが……」
「何?」
 レイヴンは、おもむろに告げる。
「頭に血が登って、少々出力を上げ過ぎた…………冷却が終わる
まで……そうだな、ほんの30秒でいい。奴をひきつけてくれない
か」
「ちょっと……何それ? まあいいわ、これが終わったら、何か
おごってね!」
「ああ、いいだろう」
 レイヴンは思う。あの戦争の直中だったら、この気になれたか、と。
 ……まあいい、今は今だ。
「じゃあ、頼んだぞ!」


132 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/05 23:45 ID:???
「上手い事、引き付けてくれてるようだな……」
 ジャックはサイクスを降り、荒野に横たわる今一機のサイクスの
頭部、その傍らに居た。
「さて、と。あんたにゃ、まだくたばってもらっちゃ困るんでな……」
 彼はサイクスの、天井が吹き飛んだ頭部を覗き込む。
「……なんだ、お前か…………」
 アーバインは、横倒しになったコクピットの中で、吹き飛んだ天井越しに
ジャックを見上げた形をとった。
「ほう、御挨拶だな。それにしても良く無事だったもんだ」
「…………無事……ってわけじゃねえけどな……取りあえず、ちょいと俺を
相棒から下ろしてくれねえかな……この姿勢は…………」
「ああ、待ってろ…………?」
 ジャックは、ふと空を見上げる。
「おい……どうしたんだ……?」
「何、あと20秒もすりゃわかるよ」
 地平の彼方に見えたそれは、明らかに高度を落としつつこちらに向って
きている。そして。
「!!!!!」
 二人の視界は、一瞬にして土煙に遮られた。それが晴れるまでに要した
時間、凡そ30秒が過ぎた時二人が観たものは。
「またまた助っ人の御登場だ」
 土けむの中から、徐々にそれがシルエットを現す。
「こいつは凄い……」
 それは、頭部に黄金の角を頂いた鋼の天馬、オルディオスだった。

 

133 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/05 23:46 ID:???
なんとかこれだけ書けました。
続きはまた週末に……

134 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/06 07:35 ID:???
乙です。僕らの事は気にせずにマイペースでがんがってくだちぃ。

135 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/11/06 17:33 ID:???
これならいくらでも待てる。
あぁ〜続きは一体!?

136 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/07 22:02 ID:???
乙!
オルディオスキター

137 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/19 23:11 ID:???
「聞いてるぜ。何でもこいつの騎手にあんたを選んだのは、ラオン博士だ
そうだな。まったく……いいタニマチを見つけたものだ」
「その話は後にしよう」
 ジャックの問いかけに、オルディオスのスピーカーから、レオンの声が
発せられる。直後、オルディオスは前脚の両膝を地面につかせ、降着姿勢を
取り始めた。やがて、その長い首が大地へと下ろされる。
「とりあえず、今はアーバインをホバーカーゴへ運ばないとな」
 コクピットのハッチを開け、降りたレオンは言った。そして彼は、
倒れているサイクスのコクピットへと駆け寄ると、
「アーバイン、肩は大丈夫か」
 言い、彼に肩を預けさせ引きずり出した。
「……根性でどうこうなる状態じゃあなさそうだ」
「…………ああ……面目ねえが、仰る通りのザマだ。……俺もこいつもな」
 アーバインは続ける。


138 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/19 23:12 ID:???
「それよりリーゼはどうした……奴はちゃんとKGに乗り込めたのか……?」
「安心しろ。多少危なかったが、一応大成功だ」
 ジャックが『若干』愛想なく言う。
「お前が言うと、何だか良い事じゃないように聞こえるな」
 言われた彼は、申し訳程度に笑みを浮かべ返した。
「勝負に表情はいらない、ってのがうちの家訓でな。だが、これでも
あんたの生還を喜んでるんだぜ」
「ありがとさん…………」
 その時、ジャックは地平を朦々たる砂煙りを立てて走る、一機のゾイドに
気付いた。
「どうやらヒーローのお出ましのようだ。レオン、あとは俺にまかせてくれ」
 言うとジャックは、レオンからアーバインの肩を預かった。
「じゃあ、俺はサイクスを届けるとするか。席は生憎と単座だが、こいつくらいの
ゾイドだったら何とか運べるからな」
「……へへ、すまねえな…………終わったら一杯おごるよ」
「楽しみにしてるよ」
 レオンは、オルディオスに再び乗り込むと巨体を立ち上がらせた。
そして、その黄金の一本角をサイクスの機体の下に潜り込ませ、そのまま器用に
背中へと移した。
「おいおい……あんま無茶しねえでくれよ…………」
「俺達も行こう。あいつが来たって事は、じきここも激戦区になるってこった」
 ジャックは言うと、今だ消えやらぬ砂煙りを見た。
 

139 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/20 19:04 ID:???
「こちらカンタベリ。作戦ポイント地下約80mに熱源を感知。地上班どうか」
「こちら地上観測班。明らかに生命反応と思われる振動を感知した。ゴジラは
現在も尚、生命活動に致命的な支障は来していないものと思われる」
 上空を飛ぶシュトルヒと、地上の観測部隊とが、ゴジラ埋没地点付近で
そのようなやりとりをしていた。
 地上班はゴルドスを中心とする共和国軍、カンタベリを擁する上空観測班は
シュバルツ率いる帝国軍からなっているが、シュバルツのホエールは、つい
今し方山を一つ越えた処にある共和国軍基地に着陸したばかりだった。
もっとも、班といってもその場でつけられた肩書きで、実際にはシュトルヒ
一機でしか構成されていないものだった。

「義勇軍の指揮官か……民兵が素直に指令を聞いてくれればいいのだが……」
 基地の作戦室に通されたシュバルツは、くたびれた軍服に通した両手を
テーブルの上で組み、空ろな眼差しで言った。が、直後、
「……すまない、失言だった。なにも貴国で組織された義勇軍を悪く言うつもり
では……」
 と、なりを正す。しかし、共和国軍士官はこう返した。
「いえ。大佐の仰る事も尤もです……ですが、あなたの人徳は我が軍にも届いて
おります。GFにも何名かリーダーシップを発揮出来る人材がいなくもないの
ですが、彼等は現在手が放せぬ状態でして……」
 

140 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/11/20 19:07 ID:???
シュバルツは、静かに溜息を吐くと、言った。
「……了解した。それでは、我軍の増援部隊の指揮は他に任せよう」
「申し訳ありません……先のデスザウラー、デススティンガー戦でこれほどの
疲弊がなければ…………」
「いや、他ならぬ同盟国の要請だ。それに陛下からは貴軍の要請には極力応えよ
との勅命を承っているからな」
「ところで、増援と申されましたが、どのような部隊を送って頂けるので?」
「そちらの大領領閣下にはすでに申告してあるのだが、ホエールキング三隻に
分乗し、既にこちらに向っている筈だ。今回の為に急遽編成された連隊で、
通称、バックドラフト連隊という。特に、その中の第三特務中隊はかなり使える
連中だそうだ」
「と、いいますと……」
「通称、パンツァーティーア中隊。前大戦の、いわゆる24ゾイドを再生産させ
使用している特殊部隊だ。小型ゆえ火力の期待にはお応え出来ないが、災害救助
等には威力を発揮するだろう。よろしければ、GFの方にも少し回す様、手配
しておくが……」
 共和国士官は、是非お願いします、と言うと、
「それでは、せめて合流までの時間に、入浴など済ませて下さい。その御様子では
さぞお疲れでしょう」
 そう締めた。
「お言葉に甘えさせて頂こう……だが、どうせなら、我艦の者も休ませてやっては
頂けまいか。援軍と交替するとはいえ、彼等も疲れているんだ」
「どうぞ。どうせここの基地の者は出払っております」
 士官は、笑顔で答えた。
 …………疲れている、といえば、レイヴンとバンは昨夜から寝て無い筈だ……
…………やれやれ、無茶が祟って自滅なぞせねばいいがな…………
 シュバルツは、目をつむり、そう思った。


141 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/20 21:06 ID:???
乙です〜。
今回も面白く読ませて頂きました。

142 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/11/21 16:56 ID:???
す…凄え…俺や旦那とは次元が違いすぎる……!!

143 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/23 22:15 ID:???
しかしまさか今が旬のパンティーまで絡んでくるとわ……
この連休で久々に最初から読みなおしてたけど、今年発売ものと言えば
何となく「奴」も出てきそうな予感……上手い具合に出せるような伏線も張られているし。

144 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/01 23:05 ID:???
物語は、十数分ほど前に遡る。
「……まさかこれほどだなんて…………」
リーゼは、言いながら垂直に伸びたはしごを一段づつ登っていた。
直径1mほどのパイプの中に据え付けられたそれを、彼女はかなり
長い事登っているように思った。
勇んでKG内部に潜入してはみたものの、早くも難関は待ち構えていた。
大人が一人、ぎりぎりで昇り降り出来る太さのパイプと、その内部の
はしご。しかも、外で何かある度に、絶叫マシンの如くそれは右へ
左へと振り回される。
「冗談じゃない…………」
こんな所で落下したら、はしごの段や壁面に何度叩き付けられるか
知れたものではないのだ。
せめてもの救いは、ここの中が照明で照らされている事だろうか。
これで灯がなかったら、それこそ発狂ものである。
「うわッ!!」
また揺れた。これで倒れられでもしたら…………彼女はそこから先を
考えなかった。
そうこうしている内に、天井が近付いてきている。
目標は、そのすぐ下にある筈だ。
リーゼは、両腕に力を込めた。


145 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/01 23:05 ID:???
…………そのヒルツってやつに会ったら…………
登りながら、思う。
…………絶ッ対一発ひっぱたいてやる!!…………



同時刻。共和国大統領官邸正面広場………………

正に壮観。
傭兵、賞金稼ぎ、ないしは、そのマニアが見れば、この光景はそうと
しか表現の仕様が無い。
広場を埋め尽すのは、名の知れたハンターのゾイド達。そこに繋がる
大通りを埋め尽すのは、名の通ったウォリアーのゾイド達。
その背後に連なるのは、評判が良く無いか、名の知れて無い賞金稼ぎの
ゾイド達。
各々が愛機のコクピットに身を鎮め、大統領の演説を待っていた。
最期のクラスに入る一群で話す者達がいた。
「なあに、アンタたちも出て来たの?」
「そりゃこっちの台詞だ、このタマ無し野郎」
一方は、長身の男性。言う所のおネエ言葉で話す。
セイバータイガーに乗るこの男の通り名はスティンガー。
その卑劣ぶりから、何をするか解らない男として怖れ、忌み嫌われている賞金稼ぎだ。
今一方は、2機の沙漠迷彩を施したヘルディガンナーにそれぞれ乗っていた。
彼等は、クロスボウ兄弟。この二人の評判も、ゾイド乗りの間での評判は、決して芳しいものではない。

146 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/01 23:06 ID:???
「おう、今なんつったこのダルマ野郎、今直ぐてめえのタマ切り取って
ガラガラヘビの餌にでもしてやろうか」
スティンガーは態度を一変させ、足元のヘルディガンナーをセイバータイガーにて
睨み付ける。
それを、横から制止する者がいた。
「おい、ちょっとやめとけよ!」
少年の声である。スティンガーは、セイバータイガーに横を向かせた。
自らの愛機よりも立派なそのゾイドに、彼は一瞬言葉を失うも、彼は再び口調を一変さす。
「アラ坊や、ケーニッヒウルフだなんてなかなか好いゾイドに乗ってるみたいだけど……何か様? お兄さんたちは今大事な用を済ませてるとこだから
わるいけどあっち行っててくれる…………?」
目を座らせ、彼は少年を威嚇した。だが、少年は臆する事なく返す。
「坊やたあ御挨拶だな。ま、今後はクーゴって呼んでくれ。それより、
大統領の演説が始まるぜ。いいのかい? 聞き逃しても」
「ふん、関係ないわね。これはアタシの問題だからちょっかい出さないで
くれるかしら、クーゴちゃん?」
クーゴは、声をひそめ、言った。
「……いいけどさあ…………そんなことしてるの、おたくらだけだよ」
スティンガー、そしてクロスボウ兄弟は辺りを見回した。
それは、確かに少年の言う通りだった。
「しかも、声スピーカーからまる聞こえだし。あ、おいら最初の一言以外
全部通信で済ませてるから」
クーゴは、こりゃ周りの連中はどう見るかなあ、などと付け加える。
彼等の周囲は、素行からして誉められたものではないランクの賞金稼ぎが
集まっている。だが、そのほぼ全てが、固唾をのみ大統領官邸の方向を
凝視しているのだ。
スティンガーとクロスボウ兄弟は、卒業式の最中にうたた寝から目覚め、
周囲が起立している事に気付いた学生よりもバツの悪そうな顔をし、
三者三様に官邸の方角に、ゆっくりと居住まいを正した。

やがて、ヘリック共和国大統領 ルイーズ・テレサ・キャムフォード
その人が、姿を現した。


147 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/02 13:15 ID:???
続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
スティンガーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

乙です!!

148 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/02 14:45 ID:???
クーゴキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
大統領キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
もうこれは
ZOIDSだよ!全員集合!!
みたいだなw
まさかコロコロからも来るなんて・・・

149 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/03 00:18 ID:???
凛とした女性だった。
歳は重ねているものの、重ねただけの風格があった。
彼女の面ざしは子を護る母の様でも在り、敵に挑む戦士の気高さも感じられた。
一同に会した志願兵は、皆ゾイドのコクピットに収まっていたため、歓声こそ
巻き起こる事はなかったが、大統領が姿を見せた瞬間、その場の、否、その
領域の空気が一変したのは、誰の目にも明らかだった。

大統領が、第一声を発する。
「皆さん、最初に、今回の志願に対し、私は国を代表して心よりの感謝の意を
表明いたします」
良く通る声だった。マイクを通してはいるものの、それを差し引いても堂々たる
声室、声量である。
志願兵の何割かは、かつて大統領が野盗のゾイドを一喝で懲らしたという逸話を
思い出した事だろう。この語りを耳にすれば、それも無理なからぬ事では
あるのだが。
大統領は続けた。


150 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/03 00:19 ID:???
「皆さん方の中には、愛国主義者は少ないかも知れません。国というものにも
無頓着な方もきっといらっしゃるでしょう。しかし、この義勇軍はヘリック共国
という国家を守るためのものかと言えば、厳密には違います。あなた方、いえ、『私達』は、
国家の『国』ではなく、私達の住む世界、『郷(くに)』を守る為に
結成されたのです」
一呼吸空けた。そして、再び息を大きく吸い込む。
「ゴジラが、我々に対する何らかのしっぺ返しだと言うのであれば、あるいは
それも真実かも知れません。しかし、それを甘んじて受け入れていいものでしょうか。
生きとし生けるものは、その全てが生を全うする義務があるのではないでしょうか?
確かに、私達は近年まで同じ惑星に住みながら同族と争う過ちを犯してきました。
しかし、戦いに無関係な人々まで、その罪を背負わねばならないとしたら、それは
あまりに酷というものでしょう。私達は、その人達を守る為にも、ゴジラに屈してはならないのです!!」
誰もが、大統領の演説に聞き入った。語り、声色、イントネーション、そして内容。
全てが義勇軍を奮い立たせるに完璧といって良かった。
やがて、演説はKGが味方に付きつつある事を告げた後、締めに入った。

「過ちて顧みず、これを過ちと云う。古い諺にもありますが、生き延びてこそ顧みる
事も出来るのではないかと私は思います。過去を顧みる事は確かに重要な事ですが、
そのためにも我々はまず、勝たねばなりません」


「私の言いたい事は、以上です」

首都の一角を埋め尽すゾイドの群れが、一斉に雄叫びを上げた。
建物という建物の窓ガラスが、びりびりと振動する。

それは、これから始まる激戦の幕開けを告げる、時の声だった。


151 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/03 10:16 ID:???
連日でキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
大統領カコイイですね(w


152 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/03 17:38 ID:???
塩ゾイドキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
やっべ、ここまで燃えるオリストは久しぶりだ


153 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/03 23:21 ID:???
大統領━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
これぞまさに、「いよっ!だいとうry(パーン」

154 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/06 00:07 ID:???
リーゼは、はしごを登り切った正面にある小さなハッチのノブに手をかけた。
幾つかの漠然とした事が彼女の頭をよぎるも、彼女はそれを吹っ切り
ノブを回す。
ハッチは、拍子抜けする程容易く開いた。
リーゼはそこに身体を滑り込ます。
「……!」
 ハッチのふちに脇腹がかすかに擦れる。が、それだけでも痛みは鋭い。
彼女は、それも吹っ切り、おもむろに立ち上がった。
「…………」
 そこは、確かにKGのコクピットだった。
巨大な図体に比べ、意外と狭い。だが、それも図体に比べての話であり
ゾイドとしては、ウルトラザウルスを除けばかなり広い方だろう。
座席数は3。背もたれの高いシートが三角形に配置されており、最前のシートの
上の砲には、大きなモニターがついている。天井は床から大人が直立できる程に高い。
かつては一人で動かしていたようだが、操縦と火器管制が別系統になって
いる……そういう情報を聞いている。もう一つは指令系かレーダー手か。
 その広いコクピットが、波にもまれる小舟の様に揺れている。
 「………………やっと来てくれたか………………」
 幽鬼の様に精気の無い声で、男は揺れに身をまかせつつ告げた。
 リーゼは、最前のシートに何とか歩み寄る。
 ハインツは、死にかけた蛙のように脱力しシートにもたれかけ、
空ろな眼差しで傍らに立つリーゼを一瞥した。
「リーゼ……だったか………………きみの言いたい事は総てわかるよ…………」
「だったら今直ぐそこをあけるんだ!」
 ハインツは、大きく溜息をついた。
 と、同時にリーゼの張り手が彼の横面を捕らえる。
 

155 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/06 00:30 ID:???
何を…………するんだ………………」
 張り倒されたそのままの姿勢でしばらく固まった後、酷く情けない声で、
ハインツはそう言った。
「ボクはここに来るまでの間、2度もおまえをひっぱたきたいって思ったんだ!
ほんとはぶん殴っても良いくらいだけど、とりあえず今はこれで許してやる!
さあ!! そこを退け!!!」
 リーゼはハインツを睨み付け、塞きを切ったかのようにまくしたてる。
 ハインツは、彼女ををしばらく呆然と見つめていたが、やがて力無く
くっくと笑い出した。
「何がおかしい」
 憮然と訪ねるリーゼに、彼は答える。
「私がここを退いて…………ええとそれで……そうだ、ここへ君が座れば
万事解決する…………ふう……君はそう思ってるわけか…………」
「もちろん、そんな虫のいい事なんて思っちゃいないさ。そこから先が
大変な事くらいわかってるよ」
「…………大変……か…… 確かに大変な事にはなるな…………」
 彼は、情けない笑みを浮かべつつ言った。
「目障りなだけだったんで消しておいたが…………外の戦況を見てみるかね」
 それは確かにそうだろう。自らの技術を実践するためにKGを持ち出して
おきながら、自分で何も出来ず見ているだけというのは不快な事この上ない
というのは、リーゼにも容易に察しがつく。
 しかし、彼がモニターを切っていた理由は………………もしかして……?


156 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/06 00:31 ID:???
「君も来た事だし、今なら邪魔は入らないだろう…………」
 だが、モニターを付けたその瞬間だった。
 巨大な衝撃が、コクピット全体をゆさぶり、キャノピーからは眩い光が二人を
照らした。
「…………君の仲間は、随分と無茶をするな………………」
「具合のわりには口数が多いな」
「退屈だったものだからね」
 揺れの余韻が残る中、二人はそう言う。
 リーゼは、正面のキャノピーに身を乗り出した。
 KGが捉えたのは、見覚えのあるゾイドだった。
「リーゼ、君の彼氏はこのKGにかなりの無礼を働いてしまったようだ……」


157 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/06 09:36 ID:???
また来てる━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
こんなに連続で来るとは(w

158 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/06 17:43 ID:???
長い事書かないと、ネタを仕込んでも忘れてしまうので(W

毎回このペースで書きたいものです……

159 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/06 18:04 ID:???
そこを退け!!」
 リーゼは、言われるなりそう返す。
「いいだろう…………」
 ハインツはけだるそうに告げ、また溜息をつきながらゆっくりと腰を上げる。
「君ならどうするか……ここで見ていてあげるよ」
 彼は、メインシートの左背後にあるシート、恐らくは火器管制用のものと
思われる座席へ、ふう、とまた面倒臭そうに腰を下ろした。
 リーゼは、開いたメインシートに飛び乗るように座すと、操縦桿を握った。
 ダメか………… もしやと思いやってはみたものの、操縦桿の動きが
KGの挙動に影響を与えた気配は微塵も無い。
「……さあ、どうするね」
「うるさいなあ!! 少しだまってろよ!!!!」
 言うと思ったけどさ…… 今度はリーゼが溜息をつく。
「だったら……やっぱり機械を介してじゃなく、『君』に直接訪ねるしか
ないな…………」
 ハインツが何か言おうと上体を動かすも、リーゼはそれを睨みにて牽制
する。だが、ハインツは、
「悪いが言わせてもらう」
 と、力無く、しかし意志のこもった口調で反する。
「君は、この『彼』が何をもって暴走しているか…………つい昨日知ったばかり
じゃないのか? 申し訳ないが、研究者として君の行動を疑うよ」
 一呼吸開け、締める。
「私の行動を棚に上げる様で悪いがね……」
「やってみなきゃ解らないじゃないか」
 苛立った風に告げるリーゼに、ハインツはやや口を強めた。
「解らないからこそ危険だというのが、何故解らない? 開き直る様ですまんが、
それは私が良く知っている! 」
 続けた。
「『彼』は、制御出来ない」


160 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/07 13:14 ID:???
キテル━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
続きが来るのが早くて嬉しいヾ(´ー`)ノ

161 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/08 00:38 ID:???
しかし、リーゼは前方を見据えたままで言う。
「それは君の場合だろう。ボクのやりかたは違う」
 開かれた彼女の手には、いつのまにか青い色をした『虫』が幾匹か乗っている。
「さあ、頼むよ」
 リーゼの手から、『虫』が飛び立つ。『虫』は、天井付近の通気口に入って行く。
「通気口がシャットアウトされてなければ、各所に設けられたメンテナンスルーム
全てがつながっている筈だろ? 設計図を見せてもらったけど、コアにもそれを
メンテナンスするための空間が設けられている。そこへ彼等には行ってもらうのさ」
 リーゼは言いながら、風防越しに外を伺う。KGは、レイヴンの頭部装甲の無い
フューラーに向ってゆっくりと歩んでいた。
 すると、リーゼは途端に狼狽え、
「……なぜ逃げない? さっきの荷電粒子砲じゃ、もう飛び道具は当分つかえない
のに…………!!」
「そして、冷却の為身動きも取れない。早くしないと彼が踏みつぶされてしまうよ」
 く、と息を漏らし、リーゼは焦りを見せつつも、ハインツに向き言った。
「そんな事させるもんか!!」
 ハインツは、ゆっくりと息を吐く。
「まあ…………私も失敗を心から望んでいるわけじゃない。だが…………」
 彼は、何秒か目をつむり、続けた。
「君の考えはわかる。大方あの『虫』を通じ、コアに直接訴えかけようと
いうんだろう。それも説得という方法でね。KGとの精神感応というわけだ」
「そこまで判ってるんなら、口出ししないで欲しいね」
 ハインツは、また間を開けた。
「……………………君は衝撃的なものを見る事になるぞ…………」
「あくまでボクの邪魔をするっていうのなら、少し眠っててもらうよ。ボクの事は
色々調べてあるんだろ」
 聞く耳半ば持たず、といった風情の少女に、彼は告げた。
「百分は一件に如かず、さ。さて……それまで、外の連中には精々頑張って
もらおうか……」


162 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/08 20:02 ID:???
340氏=真性神
彼を神と言わずに誰を神と呼ぶ!!?
俺の作ったアホみたいなバトストに比べると(比べなくても)これだけで
OVA化可能だと思われ。・・・無理だが・・・・

163 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/08 22:10 ID:???
上空から、KGとバンらの経緯を絶えまなく伺う者があった。
 GFの無人偵察ゾイド、ザバット改『ウジャト』である。
 ウジャトとは、地球のエジプト神話における天空神、ホルスの目を意味し、
保護と安全のシンボルとされる紋様である。ウジャトの捉えた映像を始めとする
各種データは逐次GFのホバーカーゴに送信され、GFはそれに応じた対応を
逐次取ることとなっている。
「こちらジャック・シスコ。現在負傷したアーバインを載せ、そちらに向って
いる。レオンのオルディオスも一緒だ」
 ハーマンの元に、そういった通信が入ったのは、つい今し方の事だった。
「了解した。そちらに残っているのはレイヴンとクリスだけか?」
 ああ、とジャックは答えた。だが、こう付け加える。
「だが、我らがヒーローのお出ましだ。あの砂煙だと、イエーガーの装備か」
「意外と早いな…… ビット、聞こえるか。お前はヒーローだそうだ」
 三人目の声が答える。
「そいつぁ嬉しいね…………もうちょっとだ。レイヴンに頑張る様に言ってくれよ」
 ジャックが答える。
「いや……頑張ろうにも奴は今一歩も動けないんだが…………」
「とりあえず、今クリスが懸命にKGの気を惹こうとしている所だ。ビット、
急いでくれ!」
「言われなくたって……!! それより、リーゼはまだKGの操縦に成功して
ないのか?」
 それにはディが答えた。
「KGの行動パターンには、まだ何の変化も見られん。あいかわらず本能で獲物を
狙う野性の動きじゃよ。リーゼ穣ちゃんが何らかの制御に僅かたりとも成功して
おれば、ウジャトからのデータで何かわかるのだがな……」
「うじゃと?」
「偵察機じゃ。KGの上空を旋回しておる」
「なるほどね……で、そいつが俺のウイニングランを、じきに中継するってわけだ」
「なにをして勝ちとするかは判らんが、とりあえず期待しとるぞ!」
 ビットのイェーガーは、KGに向い加速した。

164 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/08 22:13 ID:???
>162
こんだけ豪華キャスト総出演なのに
全員キャラが立ってるのがすごすぎっすよね。
版権という厚い壁がなきゃなぁ…

165 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/08 22:21 ID:???
162>>
いえいえ、まだ台詞とかにも改善の余地もありますし……
OVAといえば、まあこれは劇場アニメなんですが、
グレートマジンガー対ゲッターロボ
とか
グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦!大海獣
とか、
グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突
あたりのクロスオーバー作品を意識して本編を執筆してます。
違う作品のキャラ同士が会話したら、こんな風になるんじゃなかろうか、
といった感じでしょうか。
まだまだ至らぬ所も色々ありますんで、これからも一層精進したいかと。はい。

166 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/09 10:23 ID:???
またキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
ペース早いですねぇ…凄い。

167 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/09 15:24 ID:???
ここのところ年末進行(違)でペースが速くて嬉しいなー

168 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/09 16:46 ID:???
ところで・・・空想科学読本3巻読んで思ったのだが・・・
禁ゴジュの元の叫び声は多分100デシベルは逝ってると思われる。
つまりそれを数億倍(ここでは1億と仮定する)に増幅すると
100億デシベルは逝っている事になる。すると・・・
確かデシベル数を10で割った数がエネルギーの放出量の「桁」になる
という式だった筈。つまり1の後に0が10億個付くんでは。
どれ位のエネルギーか、と?惑星Ziが一瞬でぶっ飛びます。ハイ。
これが間違ってたら厨房の戯言としてスルーしても(その前に何処を間違えたか
教えて頂きたいが)構わんです。
・・・スレ違いスマソ

169 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/09 23:34 ID:???
とりあえずワタシの考えを。
現に、KGはバトストの中で何度かスーパーサウンドブラスターを使用して
ますが、そのたびに惑星Ziが吹っ飛ぶ、なんていう描写が無かった事から
考えると、

1、鳴き声を数億倍に増幅、というのが開発者の計算間違いないしはブラフ

2、バトスト世界の宇宙では、物理法則が我々の世界とは異なる

3、実は何度かSBBによってZiが壊滅してるが、大いなる意志によって
  そのつど復活している

などが考えられますが、ゾイドの技術の多くがわれわれの世界では
実現不可能な事を考えると、2が事実なのはまず間違いないし、スペック的な
事を考えても、兵器開発において性能が誇張されて発表される事は珍しい
事ではないでしょう。
思うに、そういったものを我々の基準で計算する事には、ほとんど意味が
無いのではないかと。

ちなみに、この「ゴジラvsキングゴジュラス」では、

☆まともに喰らえば、ゴジラも一撃でおだぶつ
☆再大出力で地面に放つと、地殻変動が起こって広範囲が壊滅する
☆今のZiの技術で、砲撃そのものを跳ね返したり防いだりする技術はない

まあ、だいたいこんな感じです。


170 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/10 11:19 ID:???
>>169
Σ (゚Д゚;)ツ、強ェ…
果たしてここまで強力なゾイドをどうやって止めるのか…
楽しみです(w

171 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/10 14:09 ID:???
いやぁ、ZOIDS SAGA2で禁ゴジュのSSB使えなくてね・・・

172 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/13 22:37 ID:???
KGが大地を蹴散らす。
 その度に、小山ほどもある量の土砂と岩石が、塊となってクリスのサイクスを襲う。
 単なる土や石でさえ武器、否、兵器となるほどの夥しい量である。クリスに
してみれば、山津波の中を走り抜けているに等しい。
 黒い大波が、また荒野に荒れる。それを突き抜け、サイクスが現れる。
「こんな中でスピードなんて出したら、自分から瓦礫に突っ込むみたいな
もんじゃない!! どうしろっていうの!?」
 しかも、KGの土砂攻撃はサイクスの行く先を、ほぼ確実に狙って行われている。
 さながら、食事前に小動物を玩ぶ肉食獣といったところか。
「すまんが、もうすこし遊んでやってくれ。じき冷却が完了する」
「あんた……さっきから他人事だと思って!!」
 それを聞くレイヴンの目の前にあるモニターに、冷却の度合いを示すゲージが
映し出されている。
「あと10数えろ。そしたら後は俺がひきつける」
8、7、6…………カウントダウンが終わりに近付く。
 が、その時だった。
 今まで鈍い鼠を追う猫のようにサイクスを玩んでいたKGが、突如として
フューラーを睨み付けた。鮮やかに輝く紅い両目が、レイヴンを正視する。
「ちいッ!! 冷却してたのが判ってたのか!?」
 低く、響きのいいうなり声を発し、KGは大地を鳴らしレイヴンに歩み寄った。
 その巨体からはにわかに想像し難い速度で、大地のみならず大気をも蹴散らし
KGはレイヴンに近付いた。
「………………!!!!!!」 
 気が付けば、KGはレイヴンの頭上にそびえ立つ形となっていた。
 金属音の唸りが、天からフューラーに降り注いだ。
「あんたの相手はこっちよ!!」
 サイクスの速射砲がKGの背を捕らえる。だが、KGはそれを歯牙にもかない。
「ええい、こうなったら…………!!!」
「攻撃ってのは、こうやるんだぜ」
 え? と、クリスが反応するのと、その土煙がサイクスの横を通過するのは、
ほぼ同時だった。
 直後、蒼いライガーは、KGの背にその黄金の爪を突き立てていた。

173 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/14 05:12 ID:???
蒼いライガーキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
青い、じゃなくて
蒼い、と来るとは・・・カコイイ(・∀・)!!じゃないですか!!

174 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/14 11:47 ID:???
ああ…これを見る度救われるよ…

175 :英雄の帰還書いてる物体:03/12/14 13:55 ID:???
こまめに

保守
           汁。

176 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/14 16:50 ID:???
おぼぁ!!>>175はスルーして!!!

177 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/16 00:48 ID:???

 土煙がサイクスの真横を凄まじい速度で過る。次の瞬間、土煙の側面を
切り裂き、巨大な翼が現れた。
 成層圏の空を思わす、深い蒼色の翼だ。
 土煙が炸裂する。と、同時にそれを突き破り、全長24・1m、重量132tの
蒼いライガーは、大地を蹴り宙へと舞い上がった。
 ライガーゼロ・イェーガーである。
 イェーガーは、その金色に輝く爪を大きく振る。
 金属同士がぶつかり、削れる巨大な音が荒野を震撼させた。同時に、眩いばかりの
閃光が閃く。ストライク・レーザークローの高エネルギーと、クローそのものの
衝突エネルギーが相俟った結果、瞬時にして徹甲弾のそれにも似た侵徹効果が生じた
のだ。
 イェーガーは爪から白い尾を引き、放物線の後半を描きながら大地へ近付く。
そして着地。右前脚を軸とし、蒼いライガーは身をひるがえした。
 同時に、KGもそちらに巨体の向きを変える。
「おい、逃げるなら今の内だぜ。 そろそろ動けるんだろ?」
 ビットは、濛々たる砂の中、KGを挟んで反対側にいるフューラーに
伝えた。レイヴンは、言われて初めて我に帰った。冷たい汗が額を伝う。
「ふふ……今度ばかりは少しやっちまったかと思ったぞ……」
 そして、彼は操縦桿を握り、言った。


178 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/16 00:49 ID:???
「よし、俺達の役目はもう終わった。退却だ」
「って、おい! 折角こうして参上したおれの立場はどうなるんだよ!!」
 レイヴンの言葉に、ビットが反論する。
「助けてもらった事には感謝するが、リーゼも侵入に成功した事だし
もうする事なんぞ無いぞ」
「…………いや、あった。良く考えてみたら残ってるじゃねえか」
「何がだ?」
「とりあえず、お前等二人は先に帰ってな。おれはこいつを出来るだけ
ホバーカーゴから引き離す!!」
「なるほど…………分かった、後は頼んだぞ!」
「任せとけ!」
 KGは、ビットのイェーガーを睨みつつ唸り声を上げる。その背後では、
頭部装甲の無いフューラーがきびすを返し、走り去って行く。
「薄情だなんて言うなよ。奴を信頼したまでだ」
「…………そうよね……ビットならきっと…………!!」
 やがてサイクスとフューラーは並走に至り、一路ホバーカーゴへと向った。

 

179 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/16 00:50 ID:???
そして、こちらはそのホバーカーゴである。

「換装には、どの程度かかるのかね」
 ディは、バンのイクス……ライガーゼロの換装現場におもむいた。
 ブリッツのホバーカーゴのドックでは、左右から伸びた無数のアームがイクスの
アーマーを外すと同時に破損箇所を修復している。
「これはドクター……御覧の通り、まず破損箇所を応急処置せねばならない有り様
です。換装はそれからですな」
 トロス博士は、コントロールルームにて、ディに返した。
「しかも、アーマーが新型でしょう。ハード、ソフト両面の適合性から考えるに、
私としてはあまり奨められる換装ではありませんな……」
「まあ……無理もなかろう。ほとんど何の調整もせずに、いきなりひっぱりだして
来たのだからの。そもそも、このBLOXとかいうやつからして試作の粋を出て無い
らしいではないか」


180 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/16 00:50 ID:???
仰る通りです。ですが、それに関しては何とかなりそうですよ」
 ディは、ほう、と感嘆する。
「レイヴン君がKGの開発基地から持って来たコアブロック……あれを素体として
組み込む事にしました。あちらの方でけっこうな経験をつんでるコアらしいですし
その為にBLOXとしてのフレキシビリティは抜群です」
 トロス博士は、苦笑しつつそしてこう付け加えた。
「……データ上はね」  
「操縦のシステムは大丈夫なのだろうな?」
 ディが不安げに訪ねる。
「あのコアも…………一応、『素体となったドラゴン型BLOX』という事で
マトリクスドラゴン、とまあこう呼んでいますが、あの基地から呼び寄せた
データによると、ちゃんと操縦可能な仕様にはなっています。ですから、その点は
大丈夫でしょう。それよりも問題は、ライガーそのものとの適合性ですな……」
 二人は、換装作業中のライガーゼロを、ルームより見下ろした。
 イェーガーのものとはまた違った青い装甲を付けられるその傍らに、同じ色を
した猛禽のゾイドが居る。
 それらが一つになった時の名を、RZ−71 ライガーゼロフェニックス と
云った。



181 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/16 09:10 ID:???
ゼロフェニキター!
マトドラのブロック回収してるからいつか来るのでは?と思ってたがついに……

182 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/16 09:59 ID:???
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
イエーガー(・∀・)イイ!!そして

ガッチャマンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

183 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/18 22:56 ID:???
340さん、今俺他スレでバトスト書いてるんですがそっちにもKGネタを出そうと思います。
向こうにも書いたけど、決してここのパクリではありません。

184 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/19 00:51 ID:???
「ここまで完全な形のBLOXと、通常のゾイドを合体させるという事自体、
初の試みなんですよ。で、一応、今回用意した機体では、さっきも言いましたが
フェニックスの方にもコクピットを設けてありまして……」
 トロス博士がモニターを何やら操作する。すると、モニターにゼロとフェニックス
の合体シークエンスが映し出された。
「この2機がドッキングした場合、フェニックスのコアとライガーゼロのコアが
機械的に結合し、二つで一つのコアとして働く仕組みになっているんですが、
どうせなら、と、コクピットの方も」
 フェニックスの頭部に据え付けられたコクピットが、首を経由しライガーゼロの
背まで移動する。
 …………移動?
「トロス博士…………コクピットが移動するのはいいが、この移動距離に意味は
あるのかね………………?」
 何か途中でくるんとシートが回転しとるし……と、ディは独りごちる。
 背まで移動したコクピットは、今度はライガーゼロの首を経由し、ゼロ本来の
コクピットに収まる事で副座となる。
「ああ、これですか。格好いいでしょう」
 トロス博士は、凄まじく楽しそうに、そして自慢げに言った。
「いやね、このドッキングだとゼロの風防の真上にフェニックスのコクピットが来る
でしょう。そうするとゼロの風防に穴をあけなけりゃならず、そうなると
強度が心配になりまして…………で、苦肉の策としてこの方式を採用した、と」
「苦肉のう……」
「ええ、苦肉で」


185 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/19 00:51 ID:???
その時、別のモニターが着信を告げた。
「はいはい……おお、どうだねそっちは」
 それは、先だってGFのカーゴに移ったジェミーからのものだった。
「ソフトウェアのチェックが今終わった所です。それにしても、そちらのゼロ
フェニックスもそうですけど、こちらの『これ』も凄いですね…………」
 モニターの中のジェミーは、自らの左方にある何かをしげしげと見つめる。
「そうだろう、そうだろう! まあ、それにしても何だな、今回は敵が敵なだけ
あって、まるで新旧ゾイドの見本市だな」
「不謹慎ですよ。こっちは今し方だって怪我人を収容したばかりなんですから」
「おっと、そうだった。すまんすまん…………で、君の用件は結局なんなんだね。
そっちにあるそれの事なら、私もよく知ってるぞ。さっきたっぷり見学してきた
からな」
「何か手伝ってるものとばかり思ったら、あんたは観てただけだったんですか!」
「ほらほら、用件!」
「まったく……」
 ふてくされながらも、少年は気を取り直し本来の用件を伝えた。
「ええとですね…………そうそう、ここからの撤退が正式に決定したんですよ。
もうリーゼさんもKGへの潜入に成功しましたし、手出しは無用との事です」
「まあそうだろうな。そうなったら、先にこちらのゾイドだけでも義勇軍と
合流させたいところだが……」
 トロス博士は、フェニックスが映し出されていたモニターを切り替える。

186 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/19 00:52 ID:???
「実戦に参加するなら、全員のゾイドに点検整備が必要だ。クリスとジャックの
サイクスは関節が破損してるし、ケリーのは首のパイプがいかれとる。
今回のはバトルとちがって、リミッターによるシステムフリーズが無いからな……」 通常、ウォリアーのゾイドは過度な壊し合いを防ぐ為、コアにダメージ対する
リミッターが設けられている。一定以上のダメージを負うと、コアからボディーへの
信号が自動的にシャットアウトされるのだ。これにより、無益な反撃を防止し、
バトルとしてのルールを明解化させているわけである。しかし、これにコアが
慣れてしまうと、一定以上のダメージに免疫の無い、ある意味脆弱なゾイドに
なってしまう危険性も伴っている。通常、百戦錬磨と呼ばれるゾイドは各部の
パーツや装甲までもがコアの支配下に置かれ、金属細胞の増殖によって自然治癒
するものだが、ウォリアー愛用のゾイドはこの能力が決して高くは無いのだ。
「さて、向こうに付くまでにはなんとかせにゃな」
 トロス博士は、小さく溜息をついた。

187 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/19 00:54 ID:???
183>>
いえいえ、そもそもKGはゾイドファン全員の共有財産。
何を気兼ねする事がありましょう(´ー`) ノ
お互い切磋琢磨していこうではありませんか。

188 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/19 20:28 ID:???
>「ああ、これですか。格好いいでしょう」
三行ほど下を読むまで、まさかこの人趣味で改造したんじゃねえだろうなと思った。

……いやたぶん趣味だろうけどさw

189 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/19 23:02 ID:???
グレンダイザーネタに激しくワラタ

190 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :03/12/20 19:11 ID:???
「こちらにあるこれ」とは一体…気になる

191 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/21 12:58 ID:???
バックドラフト連隊は、装甲師団の各部隊からの選りすぐりを中心に
結成された精鋭部隊である。前回ゴジラを撃退した折り、共和国への再上陸
から帝国への被害拡大を想定して計画されていただけに、その編成は極めて
スムーズなものだった。また、ウォリアーの経験者を多く引き抜いた事も
あり、互いに顔見知りも多く協調性も申し分ないものとの評価も高い。
 シュバルツが、今回の為に編成された、というのはそういった意味であり
いわばバックドラフトはゴジラを倒す為に結成された部隊なのだ。
 また、それと平行して陸軍ではレイヴンの後釜探しも行われていた。
 単体で複数の敵を駆逐可能な強力なゾイドと、それを自在に操る優秀な
パイロット……レイヴンの例から、それは軍人ではなく民間人やウォリアー
からの選考が中心となっていた。

 そこで見い出されたのが、彼、ベガ・“キング”オプスキュラである。

 さて、その頃ハーマンの元では、一機の新型ゾイドが最終調整に入って
いた。
「ゼロフェニックスや、これがもう少し早く仕上がっていれば、海兵隊の
暴挙も何とか出来たものを」
 機体を見上げ、ハーマンが隣に立つオコーネルに言う。
「同感です。そういえば、帝国から増援が派遣されてるそうですが、また
海兵隊のような連中では無い事を祈るばかりですよ」

192 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/21 12:58 ID:???
「まあ、今回ばかりは仕方ない。なにしろ『これ』を扱える人材が
こちらに居ないのだからな」
「ベガ・オプスキュラですね。何でもレイヴンが抜けた後の後釜
だと聞きますが……」
「それなんだが、詳細はまだ伝わって無いんだ」
「ああ、送られて来たデータはかなり破損してましたからね。
レアヘルツの影響でしょう」
「まあいいさ。シュバルツの奴も選考には加わっていたというし、
本人もそろそろ到着する頃だ。少なくとも、どこの馬の骨とも知れぬ
輩、というわけでもないだろう」
 その時、スピーカーからハーマンを呼ぶ声が告げられた。
「ハーマン大佐、帝国軍・バックドラフト連隊より連絡が入りました。
至急最寄りの端末をお取り下さい」
「おいですなったか」
 彼は、ドックの傍らにある待機室へ向った。


193 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/21 12:59 ID:???
 私だ、こちらへ回せ。ハーマンが告げると、待機室のモニターに
帝国軍将校の姿が映し出される。
「こちら帝国装甲師団、バックドラフト連隊のアルタイルだ。
そちらのカーゴ周辺への着艦を許可されたい」
「GF司令官ハーマンだ。今回の協力に感謝の意を表したい。
これよりホバーカーゴを停止させるのでこちらの指示した座標へ
着艦して欲しい」
「諒解した。そちらの上空へ、あと5分ほどで到着する」
 その後、短いやりとりの後に通信は終了した。
「さてと、あの女と小僧がどこまで共和国でやれるか……
お手並み拝見といこうか……」
 アルタイルは、艦長席のシートに身を沈めた。


194 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/21 19:49 ID:???
つ…遂に!!ベガキタ―――(・∀・)―――!!!!

195 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/22 20:35 ID:???
オキシジェン・デストロイヤー

196 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/27 17:35 ID:???
 同刻、ガイロス帝国・ヴァシコヤードアカデミー…………
「今度は一体何が起こったって?」
 白衣を羽織りながら、不機嫌そうな面持ちで足早にその技術者は
研究所に入った。彼は、連日の激務から解放され、実に三日ぶりに
睡眠と呼べるものを取っていた所を叩き起こされたのだ。
「博士、とにかくこれを……」
 禿頭の博士が研究員から見せられたのは、ディメンション・タイド……
デスキャットをベースとした、超重力砲攻撃衛星をモニターする
パソコンの画面だった。
 科学者は、未だ覚めやらぬ眼を擦りながら、老眼鏡を直す。そして
レンズをつまみながらのピント合わせを終え、ようやく画面を直視した。
 と、同時に彼の顔から血の気が引く。
「…………これは……何の冗談だ…………!?」
 画面には、DTの各種データに混じり、何かのカウントダウンが表示
されていた。
 そして、その数字が意味する事はただ一つ。
「照準はどこに向けられている!?」
「ポイントGです!」
 科学者は、一旦宙を焦点の失われた視線で眺めると、
「軍人どもを叩き起こしてこい!! それと指令部にも連絡!!」
 研究員は、それを受け兵の寝室へと走る。大学の空き部屋を利用した、
DTを管理する隊の簡易宿泊室である。
「泣きっ面に蜂……などというものじゃないぞ、こりゃぁ……」
 非想な面持ちで、科学者は呟いた。

197 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/27 17:36 ID:???
 共和国は、点在する都市部や山村からなる人口密度のまばらな国家である。
それぞれの自治体を繋ぐ道路は極めて少なく、鋪装されているものに至っては
特殊設備呼ばわりすらされている。これはとりもなおさず、自治体間の移動が
ゾイドに頼る事に起因しているからだ。
 そういった事から、共和国首都も、都市部を抜けた途端に荒野が広がるという
極端な構造をしていた。
 大統領官邸前に終結していたゾイド達は、建物の間を抜け郊外へと出る。その
様は、小川のせせらぎが大海へと流れ出る様相を呈していた。
 都市部のビルの谷間から荒野へ流れ出るゾイド、ゾイド、ゾイド。それらが
広い幅を作って山間部を目指す。
 目ざすは、ゴジラ埋没地点、通称『ポイントG』。現在地よりの進行速度で
グスタフなら三時間、ホバーカーゴなら二時間弱の距離である。
 義勇軍の中には、グスタフ、ホバーカーゴの他にホエールキングを民間で有する
者も少なく無く、それに便乗出来る者は先発隊として先に現地付近へ向っていた。
 これは、そんな中の一機である。
「オレは王者だ。王者たるもの同胞に惜しみ無い援助の手を差し伸べる義務がある。
むろん、同胞に貴賤は無く誰に対しても一貫して平等に接する…………つもりだった
が………………」
 目をつむり、腕組みしてホエールキングのブリッジにて独りごちる若者がいた。
「おう、あんちゃん、お代わり頼むで!!」
「誰があんちゃんだッッ!! だいたいここは居酒屋やお好み焼き屋じゃないッッッッッッッッッッッ!!!!!」
「何や、ケチくさいのう。腹が減っては戦も出来へん言うやないかい」
「せやで。景気くらいつけたってや」
 昔の地球の訛りに起因するとかいう言い回しで、その三人は言った。

198 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/27 17:37 ID:???
「だいたい何でおまえらがブリッジにいる!!」
「オマエんとこの執事さんが通してくれたわ」
「何だとオイベンジャミンセバスチャン貴様らの仕業かこれわ!!!!」
 肺の空気を一気に消費しまくしたてるこの若者、名をハリー・チャンプといった。
 その背後のテーブルにて茶と茶菓子をむさぼる三人は、ウォリアーをメインに
賞金稼ぎをする、チーム・タイガーの面々だ。
「ヤーネエ、ソンナシミッタレタ事デ、ヨク王者ガ名乗レルワネエ」
「マッタクダ。ハリー、オ前モ王者ヲ名乗ルナラ、モット懐ノ広イ所ヲ見セタラ
ドウダ? ン?」
「ウがァ−ッッッ! その最後の『ン?』てのが凄いムカつく!! だいたいこれは
誰の船だ! はいそこの君!!」
 ハリーは、男言葉を話す方のロボットに問いかけた。
「ソンナ事ハ決マッテルジャナイカ」
 ロボット……セバスチャンは、誇らし気に答えた。
「そうだろう、判ってるじゃないか」
「オ前ノオ父上ノ船ダ」
「何ーッ!」 
 ハイテンションに反応するハリーに、セバスチャンは返した。
「私ハ嘘ハ言ッテ無イゾ。ハリー、オ前モトンチガ足ランナ。精進セイ」
「ソレヨリ、ソロソロ義勇軍ノ司令官ガ合流スル時間ジャナイノ?」
「ソウダナ。ハリーヨ、コレデオ前モ御役御免トイウワケダ」
「あんちゃん、お代わりまだかいな?」

 この時、彼は知る由も無かった。この後彼等を襲う、予想を遥かに超えた
脅威の事を。 


199 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/27 20:31 ID:???
激ワラタ。実際にありそうだこんなやり取り。

200 :名無し獣@リアルに飛行:03/12/28 12:19 ID:???
名スレの200もらった…光栄な事だ

201 :200:03/12/28 12:26 ID:???
うぉわ!!?ヤヴァイ、ageてしまった!!
うわー…マジごめんなさい逝ってきます

202 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/28 14:05 ID:???
内部から破壊する重力砲くらっても生きとる、この機体は内部も頑丈に作られているのかな・・・

203 :(^^)エヘヘ:03/12/28 15:57 ID:???
age

204 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/29 11:48 ID:???
内部から云々以前に重力砲の弾丸がKGの装甲を貫通できない悪寒

205 :340 ◆2V5TMXGvAs :03/12/29 23:49 ID:???
今日コミケ行ってきました。
そこで買ったゾイド同人に刺激を受けつつ、少し書きたいかと。

206 :名無し獣@リアルに歩行:03/12/30 10:20 ID:???
楽しみに待ってます。


…資金の都合で行けなかった(つд`)

207 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/01 06:15 ID:???
「ハリー、何カデカイノガコッチヘ向ッテイルゾ」
「ふむ、識別はどうなってる?」
「アンノウンダ。データニ入力サレテ無イ船ノヨウダナ」
「そいつが、何とか大佐ってのを連れて来てる帝国の艦だな。まったく、
リーダーだったら俺に任せとけばいいものを……」
 ハリーが文句をたれている内に、レーダーに写った機影は見る見る近付く。
「随分ととばすな……どれ、どんなヤツか拝んでやる」
 ハリーは、セバスチャンに目標をスクリーンに出す様指示した。   
 ホエールのカメラが捉えたその映像は、見た事も無い型の輸送艦だった。
いや……と、ハリーは思い出す。そういえば、以前軍事雑誌だかで見た
事がある。
「あれは…………」
 ハリーは、息を飲んだ。 

 一方、こちらはその艦の中である。
「ボルタ少佐、ホエールキング三隻で構成されると聞いていたが、こんな
新鋭の艦を急遽持ち出すとは、陛下もかなり気合いが入られているようだな」
 シュバルツが、艦橋にて巨大なサングラスをかけた将校に語りかけた。
 ドラグーンネスト級・ヨルムンガンド。巨大な本体のみならず、両のハサミの
中にも数多くのゾイドを収納出来るドラグーンネスト級の新造艦だ。
 因に、帝国陸軍が擁するホエールキングはその大きさから艦と呼ばれはするが、
軍規上は大型輸送機という扱いになるので必ずしも高級官僚が乗船しているわけでは
無い。

208 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/01 06:16 ID:???
ところで、シュバルツはこの艦の名を大袈裟すぎると思っていた。確かに響きは
勇ましいが、エビに対して大地を一巻するという伝説の大蛇の名はどうかと
彼は考える。残りのホエール2隻にしても、旗艦がファブニールにフェンリルと
来る。意気込みは理解できるが、名前負けはしないで欲しいものだ…………
その時も、彼はそう思っていた。
 ボルタは、そんな彼の思惑をよそに薄笑いを浮かべ、答える。
「ええ。今回は伯爵からの口添えも頂きましてね……」
 伯爵。バックドラフト設立に大きく貢献したと言われる、所謂『影の大物』だ。
その真意は、対ゴジラにかこつけ子飼いの傭兵を軍に潜り込ませる為とも、
自らが擁する軍需産業を潤わせる為とも言われているが、真相は定かではない。
 いずれにせよ、隊に大きな発言力を持つ人物である。
 なるほど、この艦の大仰な名も彼が絡んでいるのであれば頷ける。
「まあいい、あの男にどんな目論見があるのか察しはつくが、軍が私欲に走り過ぎた
挙げ句が、今回の騒動だという事は御理解頂きたいものだ」
「今回は陛下の目もありますし、さほどの無茶な要求はしますまい……おっと、
義勇軍の軍団が見えて来ましたな」
 黒いドラグーンネストは、義勇軍が行進する上空へと船体を傾けた。


209 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/01 06:33 ID:???
申し遅れましたが、皆様明けましておめでとうございます。
とりあえず、きちんと完結する予定ですので、今暫くおつき合いの
ほどを……

210 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/01 15:22 ID:???
明けましておめでとうございます。
北欧神話でしたっけ?では搭載部隊の名称は「ロキ」ですか?(うろ覚え)

211 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/01 23:56 ID:???

 帝国・ヴァシコヤードアカデミー。
「これは確かなのだろうな?」
 狭い研究室にて、将校が老博士に問う。
「ああ、間違いない。DTのやつ、突如カウントダウンを始めよった」
「一体何故突然沈黙を破った?」
 老博士は、数秒考えた後、答えた。
「あまり考えたくは無いが……と、いうのもだな、そもそも目標値店の
土砂は……」
「先に要点をまとめろ! 何の為にDTは突然超重力砲の発射体勢に入った!?」
 博士は溜息を吐く。
「ゴジラの危険度が急激に上がったからだよ。そこで、こりゃまずいとばかりに
奴さんめ、超重力砲の使用に踏み切った、とこういうわけだ。だがな、この
発射にはまずい事が一つだけある」
「それは?」
「これでゴジラを仕留められれば、まあいいだろう。KGの問題は残るが
目的としては達成させられる。だがな、あの超重力砲の威力では、現在の
ゴジラは倒せんのだ」
 どういう事だ、と問う将校に彼は答えた。
「早い話が、今超重力砲をぶっぱなしたとて、その威力を受けるのは
ゴジラに覆い被さっている大量の土砂だけなのだ…………」
 科学者は、先刻同様悲痛な面持ちで告げた。

212 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/01 23:59 ID:???
かつて、デスキャットに搭載された超重力砲。その最大のメリットは、
強大な破壊力を極めて限定された範囲内でのみ発揮出来る点にあった。
疑似物質化した純粋な重力の塊であるグラビトンは、通常の宇宙では存在
しない事からも解るように、極めて不安定なエネルギー体である。グラビトン
そのものに吸い寄せられた物資同士が衝突するエネルギーによって、それは
比較的簡単に分解、分散してしまう性質を持つのだ。
 大型ゾイド内に打ち込まれたグラビトン弾頭は、目標を内側から圧壊させると
同時に、その際のエネルギーそのもので中和され、目標を破壊した後には若干の
空間の歪みと目標の残骸以外は何も残らない仕組みとなっている。しかし、
それは裏を返せば超重力砲は一発につき一体のゾイドしか倒せないという事にも
繋がるのである。
 これが、目標がゾイドではなく地面だった場合はどうか。
 通常の大地に超重力砲が打ち込まれた場合、大量の土砂と同時に、それに
含まれる周囲の空気や水分もグラビトンによって圧縮される。そしてグラビトン
が中和され周囲が通常のGに戻った瞬間、圧縮された大気や水分はバネの様に
一気に解放され…………
「ドカン! ……というわけだ」
 博士は、手で爆発のジェスチャーをする。
「あとは、手荒な手段で叩き起こされた向き出しのゴジラがコンニチワ、とな」
 将校の額に、冷たいものが流れた。

213 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/02 00:00 ID:???
「だ……だが博士」
 唾を飲み込む。
「その時に、ゴジラが大ダメージを被る事は考えられないのか? それはつまり
人間で言えば頭上で爆弾が炸裂したようなものじゃないか……!」
「ゴジラのガタイを、そのまま人間に当てはめる事はナンセンスだよ。今まで
共和国の連中が撮った映像を観んかったわけじゃああるまい」
 将校は、きり、と歯ぎしりをし、廊下に向って怒鳴る。
「ええい!! まだバックドラフトと連絡はつかんのかァ!!」
 隣室より部下が飛び出た。
「はいッ……!! そ……それが磁場の状態が悪くて連絡が取れないので
ありますッ!!」
「博士ッ! ここは気象の予報もやってたな!」
「内線505番」
 苛立った風に博士は返す。将校は、近くにあった受話器を取り、その番号を
入力した。
「……磁場の乱れだと……!? 準レアヘルツ級………………!?」
 将校は、静かに受話器を置いた。


214 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/02 14:38 ID:???
ヨルムンガルド…?フェンリル…?
サイクロプス&ディアブロ降臨の予感!?

215 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/06 20:12 ID:???
いや、それ以前に俺はバンがライガーゼロに、レイヴンがBFに乗っている時点で
LZSK&BFSE降臨の予感と…

216 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/09 16:15 ID:yjF84umP
ageとく

217 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/09 17:19 ID:???
>>216 何故?

218 :(^^)エヘヘ:04/01/09 19:23 ID:???
age

219 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/15 21:16 ID:???
また最近忙しくなってきました(泣
今週末に何編か書けるかも知らんです……

220 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/17 11:27 ID:???
イェーガーは、適度な距離を保ちつつKGの行手を走る。
時に挑発するような仕種を見せては、追い付かれぬ程度に距離を保つ。
 と、表現するだけならば捉え様によっては牧歌的な雰囲気すら感じるが、
現実はそうではなかった。
 一歩を踏み出すごとにKGの足元にて地雷の様に炸裂する大地。それを
危うい所で避けるイェーガー。見失われては意味がなく、捕まったらなお
意味がない。双方何れにも与する事無く、しばらくはKGを先導せねば
ならないのである。
 実はこうした場合、性能付加の為の筈である追加装備が逆に仇となる。
 ライガーゼロの装備積載量は、設計上は80t近くまであるが、それで
火力、機動力が上がるのはとりもなおさず装備そのものを使用している
からである。しかし、現在のゼロはイェーガーというユニットを装備して
いながら、それを用いていない状態にある。こうなると、高機動どころか
単に50t近い重りを背負ってランニングをしているにも等しいのだ。
 しかも、現在の問題はそれだけではなかった。

「それじゃあ、さっきのバンの時と何が違うというんだ!!」
 ハーマンは、トロス博士からの報告を聞き、声を荒立てた。
「いや……申し上げ難いんですが…………そう、むしろバン君の時よりも
良く無い状態なんですよ」
 途中、1、2度口籠りつつも、トロス博士は告げた。
 モニターのハーマンは返す。
「……で、あとどのくらい持ちそうなんですか? ゼロの前脚が動かなく
なるまで」

221 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/17 11:28 ID:???
「あと2分も走れば、ヘタをすれば付加に耐えかねたゼロの右前脚は
バラバラになってしまうでしょうね…… まあ、アーマーを脱ぎ捨てれば
我々に追い付くくらいはギリギリでできるかも……」
「聞いたかオコーネル、今直ぐ彼を呼び戻せ!」
「それが、先程からやってはいるんですが…………」
 磁場の乱れが激しく、通信が届きません…………彼はそう閉める。
「大佐、バックドラフトの者が当カーゴへの乗船許可を求めてます」
「まったく、この忙しい時にビットのヤツめ…………わかった、中に
入れて、とっとと例のものを渡して義勇軍に合流してもらえ」
「大佐、あれを引き渡すついでに、ベガにビットの救出を頼まれては
どうでしょう?」
「ふむ、そうするか…………よし、ちょいとドックへ行ってくる。
俺が直接頼めば向うも否とは言うまい」

 同ホバーカーゴ 整備ドック…………

 ハーマンがドックへ到着すると、バックドラフトの面々も丁度
中へ入って来た所だった。人数は二人。体格のいい、中年の将校と
髪の長い若い女性である。
「バックドラフト連隊のアルタイル大佐だ。こちらは…………」


222 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/17 11:29 ID:???
 アルタイルが傍らの女性を紹介しようとしたその時である。
「!?」
 二人の背後から、一人の子供がドックの奥へと走り抜けた。
 ハーマンが叫ぶ。
「おい、そっちへ行っちゃいかん!! 誰か、その子を捕まえて
くれ!!」
 子供の走り抜けた方へと手を伸ばしかけ、ハーマンはアルタイルに
向き直る。
「ええい、まったく…………困るな、軍の船にあんな小さな子供を
連れ込まれては……」
「おや、連絡は確かに入れておいた筈だが……?」
 アルタイルは、傍らの女性を一瞥すると、そう言った。


223 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/17 11:30 ID:???

 ハーマンが、ドックの奥へと駆け寄ると、そこでは先刻の子供が
整備の者に取り押さえられている所だった。
「はなせよー! これは僕んだぞ!!」
 彼は、目の前のゾイドを見て言う。
「これはな坊主、お前のじゃないんだ。バックドラフトの人に渡す
大事なゾイドなんだよ」
 言う整備員に、ハーマンが告げた。
「おい、放してやれ。その子は関係者だ」
「え……? ですが…………」
「いい。私が許可する」
 そして彼はアルタイルと女性を見、小声で続けた。
「だが責任は貴官らにある事を確認しておく。間違いないな?」
「ああ、紛れも無い。彼が、ベガ・『キング』・オプスキュラだ」
 アルタイルは、傍らの女性を示し、
「そして紹介が遅れたが、彼女が彼の保護者、サラ大尉だ。なにぶんキングと
いっても御覧の通りでね……」
 呆気にとられる整備員に、ハーマンが目配せをする。
「ほらー、だからいっただろ!? まったく」
 その子供……ベガは、ふて腐れた表情を一変明るくさせ、眼前に立つ青いゾイド
を見上げた。
「こんにちは 凱龍輝!!」 


224 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/17 13:29 ID:???
ベガキタ!!!!
凱龍輝キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
この調子だとセイスモも来ちゃうのかなw?

225 :人工知能改 ◆ozOtJW9BFA :04/01/25 20:49 ID:???
>>224 一体誰が乗るんでしょう…?

226 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/26 21:45 ID:???
「博士、バックドラフトのベガが、あれを受領しに見えました」
「はいはい、機体の説明ね……と」
 ジェミーに呼ばれたトロス博士は、上機嫌でGFのカーゴに向おうと、白衣の
えりを洗面所にて直していた。
「バックドラフトのキングか。あれの性能を引き出す人材がやっと現れたと
いうわけだ」
 その事に、トロス博士はビットの危機を8割方忘却しようとしていたが、
それはジェミーも同じだった。
「博士、博士ッッ!!!」
 洗面所へと通じる廊下を通し、ジェミーの呼び声がトロス博士に届く。
 それは、ビットの危機を再確認させるもの……
 ……ではなかった。
「ベガが勝手にあれを発進させようとしてます!!」
「なんだってェッ!!」
 
 ジェミーの眼前のディスプレイに、一瞬にしてトロス博士が現れた。
「うわッッ!! 洗面所にいたんじゃなかったんですか!?」
「私はこう見えても学生時代は陸上で鳴らした事があるんだ! それより
いつになったら覚えるんだ! 凱龍輝だ凱龍輝!!」
「読めませんよ、あんなゴチャゴチャ字!! だいたい何語なんですか!!
ああ、とにかくそのガイリュウキですか? 受領の手続きも説明もなしに
ベガが乗って外へ行っちゃったんですよ!」


227 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/26 21:46 ID:???
「そもそも凱龍輝とは東方大陸の言葉でな、前大戦伝説の勇者、ジョー・ヒノモトの
地球での出身地である…………」
「それはもういいんですよ!!!!!!」
「君、あんまり怒鳴ると喉にわるいよォ  ……だが参ったな、あれは何の
説明もなしに使いこなせる代物じゃないぞ。下手にいじられて、ややこしい
事になったらかなわんな…………」   
「それなら御心配なく」
 子画面にて、モニターに割り込む者があった。青い髪の、長身の女性だ。
「君は確か、サラだったね。ベガの保護者の……」
「御無沙汰しておりますわ、博士。ですが、ベガなら御心配なく。あの子は
そちらから送られて来たマニュアルを、しっかり勉強して参りましたから」
「まあ、確かにマニュアルは送ったが……部分的に送信エラーがあったんじゃ
ないのかね? こっちに送られて来たベガ君の資料も、顔写真その他が
抜け落ちてたぞ」
「ええ、それで先程、こちらのかたに御迷惑をお掛けしてしまいまして。
しかしこちらは御心配なく。ベガはもう凱龍輝とは友達になった、って
申しておりますわ」
「ふむ、友達…………か」


228 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/01/26 22:10 ID:???
トロス博士、そしてジェミーは、ビットの事を思い出していた。
 否、ビットに限らず、一流と呼ばれるゾイド乗りはバンやレイヴンを
含め、多くの場合新たな機体をものにするのにマニュアルの類いを一切
必要としない事が多い。彼等に言わせれば、それらは全てゾイド自身が
教えてくれるのだという。操縦桿を伝ってゾイド乗りに届くゾイドの
一挙手一投足全てに意味があり、それらをゾイドが放つジェスチャーと
して捉える…………簡単に言えばそういったニュアンスらしいのだが、
真に理解するには、やはりその領域に達せねばならないと見え、優れた
技術者であっても、それを実戦可能なものは極めて限られるという。
「……なるほどな。ベガは凱龍輝自身から、己の扱い方を聞き出そうと
いうのか」
「しかし、凱龍輝のシステムは今まにないものなんですよ。そんな理屈で
説明がつくなんて…………」
「ジェミー、君もまだまだだな」
 トロス博士は、眼をつむり得意げに語る。
「凱龍輝本体及び、サポートゾイドの飛燕、月甲のシステムを設定した
のは私だよ。更にそれらのコアの同調率調整にはDr.ディも立合ってる。
問題は、ただ単にそれらを使いこなせるゾイド乗りに恵まれなかったと
いうただ一点だ。そしてベガ君はその一点を見事にクリアーしている!」
「でも、彼が乗るのは今回が初めてなんですよね。本当に大丈夫
なんですか?」
「君も疑りぶかいな。彼のセンスを知らないわけじゃあるまい」
「まあ、それはそうなんですが……」
「よーし、それじゃあまず、この際だからベガ君にテストしてもらおう。
そうだな、ミッションはとりあえず………………」
 トロス博士は、顎に手を添え斜45度上方を見る。
「とりあえず、ビット君を救出してもらおう。ちょうどいい機会だしな!」
「とりあえず…………ですか」
「うん? 何かね君はビット君を見殺しにすると?」
「……いえ…………はァ、じゃあそれで……」
「ぃよーし、決定!! それじゃあ早速ベガ君に連絡をとってくれたまえ!」

229 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/02/03 00:59 ID:???
「ええい、皆助けに来てくれいないのかよッ!!」
 ビットは、イェーガーを駆りながら独りごちる。
 無論、現在置かれている状況は、自ら飛び込んだものでもあるので
これは心からの叫びというわけでもなかった。
 が、同時に、言葉が発せられた以上、そんな事は露ほどにも思って
いないわけでもなかった。
「しょうがねえなあ………… やっぱり俺ひとりが格好良く犠牲に
なるしかないのか……」
「おっと、へばるには、まだちょっと早いぞ」
 ビットに呼び掛ける者があった。
「そろそろバトンタッチだ。背中のブースターを全開にしてホバーカーゴの
方へ向うんだ。そうすれ何とかなるだろう」
 突如、ライガーの真横にシャドーフォックスが姿を現す。
「バラット! 今までどこに居たんだよ!」
「悪いな。思ったより時間をくってしまったようだ」
 彼は続けた。
「それより、早く俺の言った事を実行しろ。そのままだと、じきそいつの
前脚はへし折れるぞ」
 だが、ビットは即座にそれを実行する事は出来なかった。
 確かに、バラットの言う方法なら大地を走らずともホバーカーゴには
追い付くかも知れない。だが、滑空するとなれば、そのための高度が
必要であり、そうなるとそれを確保するために跳躍した瞬間、ゼロの
前脚は崩壊してしまう。
「…………!!」

230 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/02/03 01:01 ID:???
「迷っている場合か」
「他人事みたいに言うけどよ……」
「お前の気持ちは判るが、今はそいつの前脚よりもそれ以外の全てが
大事だ。安心しろ、スペアの脚くらいホバーカーゴに積んである!」
 続ける。
「それにな、今の状況はそういった善意の出しゃばりが生んでいるって
事を忘れるな。バンもレイヴンもおまえも、とっとと逃げないから
こうやって駅伝みたく堂々回りになってるんだ。なあビット、凄まじく
馬鹿馬鹿しいと思わないか? 俺は思うぞ」
 続ける。
「安心しろ。俺も同時に逃げる」
「本当だろうな?」
「その台詞は心外だな。俺は勝算のある行動しかやらん。それじゃあ、
俺が煙幕を炊くからそれに乗じて二手に別れるぞ」
「OK!!」


231 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/02/03 01:01 ID:???
リーゼは、コアを目指してKGの内部に『虫』を放った。直後、
ハインツに衝撃的なものを見る事になる、と告げられた。
「何が見えたんだね」
 ハインツは、シートに脱力しつつ前の席に座している少女の、
その背もたれを一瞥した。彼には、背もたれで完全に隠れている
彼女の状態が手に取るように判る。
 そして、彼はにやりと口許をゆがめた。

「何…………で…………?」

 背もたれの向うから、リーゼのか細い声が聞こえたのは、
その直後の事だった。

232 :名無し獣@リアルに歩行:04/02/07 21:37 ID:???
何だ何だ何だー?!

233 :名無し獣@リアルに歩行:04/02/16 12:08 ID:???
「黒い人型のゾイドだと!?」
バンが顔をしかめる、「影」に汚染されたテムジン707は、バイザーの奥に妖
しい光を湛えると、剣らしきものを構えたままゆっくりと動き出した。
「ブレードON・・・」
バンはブレードライガーのブレードを展開させると、低い姿勢でテムジンの
動きを見張った。
数秒の緊張の後、テムジンがおもむろにバンのブレードライガーめがけて猛
然とダッシュを開始する。
剣を構え、横薙ぎに振りぬくテムジン。
「距離の目算もでき・・・!?」
剣から発射されるソニックウェーブを紙一重でかわすバン。
「飛び道具なのかよ!?」


新スレ「機獣電脳新戦記(仮)」     ・・・立つのか?

スレ汚しスマンカッタ

234 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/02/16 19:06 ID:???
リーゼの操る『虫』が、KGのコアを収める空間に達する。
リーゼは、ハインツから事前に只ならぬ物を見る事を告げられていた。
そしてそれを念頭に置いた上で、彼女はコアを散策した。
コアから上半身と下半身にのびる『軸(シャフト)』を探すためである。
人間で云えば脊椎に相当するこの太いパイプは、コクピットとコアを
ダイレクトに結ぶ生体部品だ。現在、コクピットからの指令を受け付けない
のは、シャフト本体がコクピットの電子部品からの信号を拒絶している
からと推測されるが、それならシャフトの付根からコアに直接信号を
送ってやれば、KGのコアに何らかの影響を与える事が可能な筈である。
 リーゼは、それに賭けていた。

 だが、彼女が目の当たりにしたものは、まるで予想だにしなかった
光景だった。

235 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/02/16 19:07 ID:???
どうかね、これがKGの力の源だ」
 コンソールに両の拳をつき、うなだれるリーゼにハインツは言う。
 と、同時に彼は渾身の一撃を横面に喰らった。
 ハインツの体はシートから転げ落ち、銀縁の眼鏡が床に転がる。
 しかし、うめきを上げる間も無く、彼は胸元を引き起こされた。
「どういうことだッッッ!!!!」
 半ば鳴き声で、リーゼは垣間見た光景の説明を迫る。
 ハインツは、手探りで眼鏡を探した。幸運にも、それはすぐに
手に触れた。
 頬にあざを作り、リーゼに胸元を掴まれながらも彼は眼鏡を直す。
「……君らが、いかにお人好しだったか、という事さ。だがね……」
 彼は続けた。
「『これ』を手掛けたのは確かに私だが、発案は私じゃあない。軍だ」
「誰だって同じ事だッ!!」
 リーゼは銀縁眼鏡の男を床に突き放す。そして、彼に背を向け、
「待っててよ…………」
 念じた。
「スペキュラー………………!!!」

 KGのコアシャフトに向っていた『虫』は、急遽目標を変えた。
 目指す先は、コアに据え付けられた4体のオーガノイド。

 その内の一体、スペキュラーの元だった。



236 ::04/02/20 20:39 ID:???
おっと…そういえばコアに連中が付いてた…
…どうしてKGの体内にオーガノイドが居たんだっけ?

237 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/02 18:38 ID:???
また都合でペースが思うように取れなくなってしまいまして……
御容赦を……

238 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/03 15:47 ID:???
頑張って下さい!!カキコできるときで良いですから!!

239 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/05 17:07 ID:???
ゴジラ映画も、次の公開作品で最後になるそうだな。

240 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/06 13:02 ID:???
>>239
デストロイヤの時もそういってたね。
USAゴジラがあんまりにもアレだったもんですぐ新作つくりだしたが。
ところで、ガメラVSゴジラって噂もあるけどほんとかね?

241 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/06 14:26 ID:???
うげ……
放射火炎と火球、威力が同じだと仮定すると、
放出時間
ゴジラ>ガメラ
連射速度
ガメラ>ゴジラ
となるんだよなあ……。格闘戦かなあ、やっぱり。

>>237 340氏
頑張ってください!仕方ないですよ、年度末ですし。

242 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/06 20:11 ID:???
風邪ひいて寝込むし仕事は遅くなるしで、このところ散々です(泣

ゴジラvsガメラですか…… 大映(大映角川)側は大乗り気だそうですが
東宝側はゴジラをお払い箱にしたがってるとかいないとか。
いずれにせよ、御覧の通りドリームマッチやクロスオーバー大好き野郎なので
僕も是非とも望みたいです。

そういうわけで、明日あたり新作カキコできると思いますので、
もう少々お待ちを……

243 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/06 23:52 ID:???
いっそのことゾイドのえいgウワオマエナニスルヤメロ

244 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/12 00:54 ID:???
レイヴンがホバーカーゴに辿り着いたのは、バンに遅れる事
僅か数分だった。その間にバンは着の身着のまま床へとつき、表面張力を
失った水玉のように意識を眠りの底へと溶け込ませた。
 夢さえ観ない、全くの熟睡である。
 対するレイヴンは、すぐにはベッドへと向わなかった。
 彼は、ドックにフューラーを固定すると、その中でシャドーの事を
思い出した。
 シャドーは彼の親を殺した。
 そして彼はシャドーを手懐けた。手懐け続けた。殺したい程嫌いだったが
そうするしかなかった。そうでもせねば、あの記憶を補う事は出来なかった。
そしてその記憶は、否、その観念は、補い続けねばならないものだった。
 そうしないと、自分の中で証とならないからだ。
 だが彼は考えた。その事実さえ自分の中に有れば、シャドーと供に居なくとも
いいのではないか。
 かつて、彼は戦いのさなかに『独りは嫌だ、』と恐怖した。そして、その後に
シャドーと再開出来た時、彼は心底幸福を感じた。

245 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/12 00:55 ID:???
先の事実から考えれば、これは正しくも親離れできない子供ではないか?
 彼はそう思い、技術の発展という大義名分のもと、バン、リーゼとともに、
シャドーを軍に預ける事にした。
 そう、俺はもうシャドーの主となったのだ。未来永劫に。
 何よりもう俺は独りじゃあない。語れる戦友がいる。リーゼもいる。
  
 だが、本当にそれでいいのか……?
 そう思った瞬間、彼の安寧に亀裂が入った。 
 無論、彼は自覚していた。その亀裂が次第に大きくなっている事を。
 そして、それに恐怖している事に。
 しかし、その『安寧が崩れる不安』というものが、人間が感じる事の
出来る最大級の不安だという事実に、彼はまだ気付いていなかった。
 背骨を伝わる寒気が、一瞬脳内に満ちる。

「俺は何に怯えてるんだ……?」


246 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/12 19:55 ID:???
たしかレイヴンの親を殺したのはアンビエントだった気が…

247 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/12 23:45 ID:???
レイヴンはそれを知らないまま、とか?

248 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/13 01:39 ID:???
 スペキュラーの周囲を、青い甲虫が飛び回る。やがて、その甲虫は
スペキュラーの頭頂部に停まった。

「やる気かね。お薦めはしないよ……」
 病人の様なけだるさでハインツは告げた。
「君に何かあっても、ここから外へは連絡は取れない。恐らく念波さえも
KGの防備は遮断してしまうだろう。君が倒れても、私は責任は一切……」
「ああ、その事なら心配ないよ」
 リーゼは素っ気無く答える。

 同時刻、KG外壁…………
 建築物そのものの巨大な金属の壁。その隙間から、無数のパイプや
シリンダーが覗く。そこから、主の巨体からしてみれば微生物の如く小さな
『虫』が一匹、飛び立った。

「さっきのを一匹、外へ使いに飛ばせてあるんだ。あの子にはボクの念を
込めてある。向うに着けば誰かにそれを伝えてくれるだろうよ」
「成る程な……」
 一呼吸置く。
「伝書鳩か、それとも銀河の姫君の危機を伝えるホログラフィーか……」
 だが、リーゼの耳には届いていなかった。
「行くよ……」
 自分に向け、彼女は放つ。

249 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/13 01:40 ID:???
スペキュラーの意識と、リーゼの意識は繋がった。
 その気になれば、どうしてここに居るかも探れたが、今はどうでもいい
事だった。
 問題は、どうすれば『彼』を止める事ができるか。いや、止め方はわかって
いる。『彼』を説得すればいいのだ。要は、どうすればまずはこちらの言う事を
彼に聞いてもらえるか、だ。

 彼はどこにいるんだ…………?

 『私ならここだ』

 その返事は、拍子抜けするほどあっさり帰ってきた。
 声は続ける。
『久しいな、リーゼ』
 久しい? どういうこと?
『この声に聞き覚えはないのか……』
 ある。確かにある。だが、そんな筈はない。『奴』は確かに……
『死んだ…………筈か。じゃあ、私は誰なんだ?』

 やがて、声は姿を現した。

 それは、鋭い目付きをした、くせのある髪を長く延ばした男の姿だった。


250 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/13 15:37 ID:???
ママママママサカ―――!!

251 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/13 21:58 ID:???
あっあっあアンビエントォォォ〜〜


252 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/19 22:53 ID:???
俺としたことが
こんな良スレをみのがしていたとわ・・・
とりあえず俺が言えることは


リーゼタン/ヽァ/ヽァ

253 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/20 13:11 ID:0QeAelva
アンアンアァン アンビエントォォォ

254 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/23 23:37 ID:???
リーゼは、気を落ち着かせた。冷や汗が冷たい。いや、体全体に寒気が
する。今、目の当たりにしている光景は仮想現実のものだが、この感覚は
現実のものだ。
 ……落ち着け………………
 ……そうだ、落ち着くんだ……
 彼女が実際に落ち着いたと云える状態になったのは、幾度も自分に
言い聞かせた後の事だった。所要時間は自覚出来ない。
 確かにこいつは死んだ筈だ。あの状態で生きている筈がない。
 デスザウラーのコアは、砲弾と化したブレードライガーによって
木っ端微塵に砕かれ、更にはそのエネルギーで完全に焼却された……
 ………………筈だ。
「コアそのものはな」
 男は言った。
「だが、あの男…………確かハインツとか言ったか、彼は残った僅かな
コア細胞から、コアの組織を培養する事に成功していた……そこまでは
知っているだろう。そして、その組織がスペアパーツとして要されていた
予備のコアの急成長に利用された事もな」
 ……まさか、それとともにこの男までクローン再生されたとでも……!?
 …………いや、有り得ない。そもそも人間の身体とゾイドコアとでは、その
組成からして違い過ぎる。いくら古代ゾイド人の血を引く奴でも、ゾイドでない
以上は同じ手順で同時に再生されるわけがない…………
「そうか…………」
 彼女は、ある事に気付いた。

255 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/03/23 23:41 ID:???
「お前はもう、人間じゃなかったんだったな!」
 男は、不敵な笑みを浮かべ、言う。
「そうとも」
「その先は言わせないぞ。お前は再生は再生でも、『蘇生』したわけじゃない。
記録された音や映像が『再生』されてるのと同じ状態なんだ」
「ほう、御高説たまわろうか」
 リーゼは言った。
「じゃあ説明してやろう。デスザウラーのコアと一体化したお前は、遺伝子レベルで
コアと一体化した。その組織を培養すれば、当然お前の情報も一緒に培養される
事になる。でも再生されたのはあくまで情報だけだ。お前と言う存在がこの世に
蘇ったわけじゃない!! お前は単なるヒルツの残留思念に過ぎないのさ!!!」
「虚しい詭弁だな。我思う、故に我在り、だ。私が私という存在を自覚する以上、
私は存在し続ける…………ただそれだけの事だ。肉体だの思念だのという浮世の
戯れ言に今さら未練なぞないよ」
 リーゼは、それを鼻で笑う。
「それじゃあ、今のお前に何が出来る! 今までだって、ただKGの本能に流されて
ただけじゃないか!!」
「それを可能にしてくれるのが、お前と、そしてレイヴンなのさ」
 どういう事だ…………?
 リーゼの怪訝な表情を、否、感情を察知したのか、ヒルツ、否その残留思念は
告げた。
「とりあえず…………昔懐かしい話でもしようか」
 赤髪の亡霊は、彼女に手をかざした。



256 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/24 06:13 ID:???
ファントム・ヒルツキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

257 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/24 09:40 ID:???
バリー・ザ・チョッパー

258 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/08 00:16 ID:???
KGの目前を、二頭のゾイドが駈ける。
「こっちの準備は整った。お前はどうだ?」
「こっちもいいぜ……いつでもこい!」
 バラットの問いに答えるビットだが、愛機の右前脚は、その一歩ごとに
悲鳴を上げていた。
「念の為に言うが、煙幕を炊いて五つ数えたら方向転換だ。俺は光学迷彩で、
お前はイェーガーのブーストで逃げおおせるが、フォックスの煙幕の中じゃ、
ライガーゼロのセンサーも、ほとんど使い物にならんだろう。そのための
カウントだという事を忘れるなよ」
「わかってるって!! 何度も言われると、やる気が殺がれちまうんだがなあ……」
「じゃあ手っ取り早く済ますぞ」
 シャドーフォックスの尾から、清水に注いだ墨汁の如く煙幕が吹き出し、立ち所に
それは周囲に立ち篭めた。シャドーフォックスの特殊なセンサー以外は効力を許さぬ
多目的煙幕だ。
 バラットの言葉通り、フォックスの斜背後に位置するゼロの視界は、瞬く間に
闇に覆われる。
「………………2……3……4……」
 今だ!! イェーガーのブーストが黒煙を凪ぎ払い、その蒼い機体を加速さす。
 同時に、急カーブに伴う凄まじい遠心力がビットの身体をコクピット側面に
押し付けた。
 イェーガーが、煙幕を突き抜けたのは、直後の事だった。
「やったッッ!!」
 だが、
 …………まずい!!

259 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/08 00:21 ID:???
高度が足りない。このままでは、骨折した足で坂道を駈けおりるに等しい
結果となってしまう。
「許せよ!!」
 ビットは、瞬時に決断した。ゼロの前脚が地面を蹴る。
 直後、ゼロの右前脚が火花と電撃を上げ分解する。
 直後に後脚も大地を蹴る。同時に、ブースターを下に向け、機体を押し上げる。
「よく頑張った…………帰ったら、俺が治してやるからな……」 
 ビットは、安堵の溜息をつく。後方モニターを見れば、KGの後ろ姿が
見る見る遠ざかっていくのが見えた。
 だが、何か様子がおかしい。ほんの一目見ただけでもわかる程に。
 動く気配がまるでないのだ。足元の砂煙に注目すれば、それは少なくとも
煙幕を炊いた時点で歩みを止めていたらしい。
 永年ゾイドを診て来た身として、奇妙な胸騒ぎが彼の胸中を襲った。


260 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/08 00:22 ID:???
「まずい……!!!!」
 先刻よりずっとまずい。KGの頭頂にそびえる一本の角、その赤い輝きが
それを物語っていた。しかも良く見れば、鋭い三角形をした背びれの間にも
何やらやばそうな光が見える。
 と、思ったその瞬間の事だった。
 ビットの目には、青白い光がKGを中心に周囲に弾けたように見えた。
 同時に、イェーガーのブースターに変調が起こった。
「ええい畜生! EMP兵器かよ!!!」
 だが、それは思った程深刻な自体を招くものではなかった。
 数秒間、KGの電磁兵器はイェーガーのシステムに変調を招いたものの、
それは直ぐさま治まった。
「なんだァ…………?」
「奴の時代の電磁兵器より、現代の対EMP装備の方が勝ってた、ってとこ
だな…………」
 それは、バラットからの通信だった。
「そう……なのか………………?」
 ビットは考えた。

 …………そんな筈はない…………  だって奴は『キングゴジュラス』だぜ!?
 

261 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/08 18:54 ID:???
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

262 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/08 21:44 ID:???
EMP兵器って何?

263 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/08 23:47 ID:???

 その変調は、遠くゴジラを目指す義勇軍の元でも起こっていた。
「治まったか…… 大した事じゃなさそうだな」
 ホエールのブリッジにて、ハリーは冷や汗を拭いながら言う。
「EMP兵器ノ類カモシレン。KGニハ電子戦ノ装備モ搭載サレテルソウダカラナ」
「EMPか! あれだな! ほれ、あの、何だ」
「Electro Magnetic Pulse。電磁パルス兵器ダ。電磁パルスニヨッテ電子部品ニ
ダメージヲ与エル兵器ノ総称ダナ」
「解ったかね? 君達!!」
 ハリーは、セバスチャンの解説の後に間髪入れず、空いてる座席で退屈そうにしていたチーム・タイガースの面々をビシと指差した。
 幸い突っ込む者は居ない。
「今、システムヲチェックシテルガ、コレトイッタ損傷ハ無イ様ダ」
「当然だ。この艦は何から何まで、むろんそのBMWとやらの対策までもが最新の
器機にて対応されてる。俺とセバスチャン、ベンジャミンだけで艦を動かせるのも
その賜物というわけだ」
「Mシカ当ッテナイゾ」 
 王者の耳には、僕(しもべ)の戯れ言は聞こえないらしく、その後には高笑いが
続いた。

 だが、王者の災難、否、彼のものを含む数千のゾイドが見舞われる災難は、
それによって一気に彼等の元へと足を進めていたのだ。

264 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/09 00:43 ID:???
>340さん
…ほんっとにキャラ立てるの上手いね。
放映当時の記憶とリンクしちゃって
脳内で映像が出来てしまう。何の違和感も無く。

265 :カリカリ大魔王!!:04/04/10 22:14 ID:3Eo2hay5
今、ここに宣言する俺様、カリカリ大魔王は今ここに大復活したカリ!!

俺様が修行している間にオマエ達の希望の星、ゴジラも終了が決定したカリし、
やはり特撮なんてどーしようもないことが証明されてしまったなカリ!!

また俺様が修行している間に我が下僕のコテハン、たけし怪獣記の怪獣は芸能事務所に
所属してテレビ界に進出したカリし、改造たろーはたろー鯖イブとパワーアップしたカリ。
また文殊王、モラシム、鳩の小次郎の3体のコテハンも愚かにも俺様に戦いを挑み
新たな下僕となったカリ!!!
最強の俺様に5人の下僕、もう下等な特撮板住人などではどうしようも
出来ないカリ!!!!!
そして例の宮崎あおい似の俺様の彼女は愚かなことに俺様をふったカリ!!
が、昨日、ついに俺様に新しい彼女が出来たカリ!!
新しい彼女は上原美佐似の超可愛い子だカリ!!
まぁ、貴様らじゃ付き合うことは永遠に不可能カリ!! カリ!!

カリカリカリカリカリ!!!
俺様が哀れなオマエ達を今から救ってやるカリ!!!!!


カリ。


266 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/15 20:39 ID:???
???

267 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/23 23:26 ID:???
「おい、俺だ。じきそっちへ着く。ほとんど墜落みてえになるから、回収
頼むぜ」
 ビットは、ホバーカーゴへと連絡を入れる。相手はリノンだ。
「?」
 明らかに様子がおかしい。彼女は何かに狼狽えているようだった。
「どうし……」
 語尾の「た?」を遮り、彼女は訴える。
「どうしたもこうしたも無いのよォ!! オルディオスが…………」
 そこで、画像が揺れる。否、どうやらホバーカーゴそのものが揺さぶられて
いるらしい。モニターの画像は持続しているが、音声が無い。通信機能に
トラブルがあったのか。
 リノンが、直ぐさま画面の下から這い上がった。しきりに何かを訴えて
いるようだが、雑音だけでやはり何も聞こえない。口の動きで察しようにも
早口過ぎて読み取る事が出来ない。
 やがって、航空機ばりの速度で飛ぶイェーガーの視界に、二隻のホバーカーゴが
見えて来た。前方がGF、後方がブリッツのものだ。
 と、確認するや、その光景は一転異様なものとなった。
 ブリッツのホバーカーゴの側面が、突如爆発したのだ。
「な…………なんだァッッ!?」

268 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/23 23:26 ID:???
 ビットは、声を裏返して叫んだ。
 その爆発の中から、黒煙を突き破るように二頭のゾイドがもつれあいながら
転がり出る。
 それは、凱龍輝とオルディオスだった。
「ビット、何やらヤバそうだ。とりあえずその辺りにイェーガーを不時着させろ」
「おいおい、車を停車させるんじゃないんだぜ!? 俺に墜落しろってか!?」
「お前なら不時着だろう。とにかく今帰還してもまともな修理は無理だな」
「まったく…………お前は凄いよ……」
 ビットはバラットの冷静な口調を皮肉り、とりあえず操縦桿を握る。
「御免なライガー……!! これで最後だから……なッと!」
 イェーガーの、背のブースターから炎が途切れる。と、同時にイェーガーは
三本の脚で大地を削りつつ、横滑りに着地した。
「ええぃ、強制排除ッ!!」
 背のブース−ターがイェーガーより切り離された。それによりバランスを
取り戻したライガーは、辛うじて転倒せずに着地できたものの、残る三本脚
は悲鳴を上げていた。
 ビットは、GFに連絡する。
「おい大佐! これはどういう事なんだ!?」
「よくわからんが、どうやらオルディオスが暴走したらしい。たまたま表にいた
凱龍輝がそれを止めようとブリッツのカーゴに入ったが…………」

269 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/04/23 23:27 ID:???
 ハーマンは、横目で何かをちらと見、
「どうやら自体は悪化したようだな…………今どこにいる?」
「おたくらの目鼻の先さ。だが俺のライガーは…………」
「そうか……本来なら、あの凱龍輝がお前らを助けに行く筈だったが……」
 ビットは、この時小さく聞こえた声を聞き逃さなかった。
 フェニックスなら今直ぐ出せるぞい
「フェニックス!? もう動かせるのか!?」
「うむ…………映像をDrに引き渡すぞ」
 画面が、ディに切り替わる。
「聞こえるか?」
「ああ……そっちはブリッツのカーゴか? 治ったのか」
「ひっぱたいたら治ったわい。それより聞け。今からライガーゼロフェニックスを
そちらによこす。まずフェニックスにおぬしのライガーを安全圏まで運んでもらい、
然る後におぬしが同行した新たなライガーゼロに乗り込むのだ」
「ここまでは誰が乗って来るんだ?」
「自動操縦じゃ。おぬしのそのゼロとは機嫌が違うやも知れんが、なに、おぬし
なら乗りこなせんことはなかろう。ともかくこのままではホバーカーゴごと
やつに壊されかねん。行くぞ!!」 

270 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/24 13:12 ID:???
キタキタキタキタキタ―――(゚∀゚)――ッ!!!

271 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/24 14:26 ID:???
キタ━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━!!!!

272 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/24 20:33 ID:???
おひさしぶりーふ

273 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/05/02 23:13 ID:???
「こちらバックドラフト連隊旗艦、ヨルムンガンドだ。どうやらKGが
電磁兵器を発したらしいが、異常はないか?」
 その通信を受けたハリーは、余裕ある表情で答えた。
「無論だ。この艦「グレートチャンプ」はそもそも」
「異常ナシダ。ソチラハ我々ノ陣頭指揮ヲ取ル、シュバルツ大佐トオ見受ケ
スルガ、如何ニ?」
「これは申し遅れた。ガイロス防衛軍機甲師団のシュバルツだ。仰せの通り
貴君らの陣頭指揮を共和国より委任された。以降宜しく頼む」
「コチラコソ。取リアエズEMPノ影響ダガ、今回ノ参加ノ条件トシテ
アル一定レベル以上ノ電子防御措置ガ為サレテイル事ガ必須トナッテイル。
我々ノ相手ハゴジラダガ、ソチラ方面ニモ抜カリハ無イ」
「それを聞いて安心した。笑えぬ結果も危惧していたのでな……」
「いずれにせよ、いくら伝説のゾイドでも時代遅れの武装では、悪足掻きにも
ならないという事だな!」
 ハリーが割って入る。
「おっと、そういえば自己紹介がまだだったか。俺の名はハリー・チャンプ。
うちの者が何かと手を焼かせるだろうが、よろしくお願いする」
 王者は、軍人相手にも臆する事は無い。


274 :340 ◆2V5TMXGvAs :04/05/02 23:14 ID:???
「こちらこそ…………」
 その尊大な態度にやや戸惑いつつも、シュバルツは返した。
「ところで、しばらくするとまたレアヘルツが悪化するらしい。今の内に
通信をレーザーに切り替えたいのだが……」
 その時、何者かが通信に割り込んで来た。電磁波の影響か、映像、画像ともに
乱れており、言っている事が判然としない。
 シュバルツは、担当の者に訪ねる。
「これはどこからの物か」
「どうやら、GFを名乗っているようですが、メッセージの内容が聞き取れません」
「…………ラ…………全軍………………イドが………………誤作………………」

 惑星Zi 衛星軌道某所…………

 ディメンションタイドは、懐かしい信号を受信していた。
 それは、彼に取って、否、彼等の時代を生きた者にとって、戦いの狼煙を
意味する信号だった。
 敵の、総攻撃を意味する信号である。

 彼は、まず予め狙っていた敵から排除する事にした。
 ゴジラに、DTの照準が定まる。
 DTの『超重力砲』の前面の空間が歪む。光が歪み、虹色にスペクトル分解
される事で、機体に七色の後光が射した。

 直後、暗黒の超重力弾は、Ziの大地に向って放たれた。


275 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/03 12:29 ID:???
グ、グラヴィディキャノ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ン!!??

276 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/03 13:53 ID:???
これでメガニューラ出てくるとか?

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